ID:87518
与太郎文庫
by 与太郎
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■ 悪夢の証明 〜 Your mother has a big Navel 〜

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 悪夢の証明 〜 Your mother has a big Navel 〜
 
〔book〕
 
── 清水 克行《室町は今日もハードボイルド
日本中世のアナーキーな世界 20210617 新潮社》 [Kindle]
http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/B09713PTX2
 
https://bunshun.jp/articles/-/48374
 
…… 室町時代ブームを牽引してきた歴史学者による歴史エッセイだ。
身の回りや時事的な話題を枕に、逞しく生きる中世人の驚愕の言動を次
々と明らかにしていく。
 
…… 「おまえのカアちゃん、でべそ!」のルーツは鎌倉時代の悪口に
…そこに秘められた“卑猥で強烈な意味”とは 20210908 週刊文春》
「おまえのカアちゃん、でべそ!」
 
 この子供同士が使う悪口には、素朴な疑問が浮かぶ。なぜ相手の母親
のでべそを指摘するのが悪口なのか。なぜ発言者は相手の母がでべそで
あることを知っているのか。この言葉のルーツは、鎌倉時代の「母開
(ははつび)」という悪口(あっこう)にあった。そこに秘められた、
卑猥で強烈な意味とは――。
 
「最近、和を尊ぶはずの日本人による、SNSでの激しい誹謗中傷が問題
視されていますが、自力救済の世に生きた中世人は、悪口で激しく相手
を罵って自己の利益を守ろうとしました。本質は変わらない。私たちの
日常が意外と歴史に繋がっていることを感じてもらえると思います」
 
 描かれるのは、自らの命と利益を守るためには戦うことが当たり前、
奪われたら奪い返す、奪われてなくても奪う、実にアナーキーで混沌と
した自力救済の世だ。たとえば、外に愛人ができて夫に捨てられた妻は、
夫を奪った女の家を集団で襲い、時にはその女の命さえ奪う(うわなり
打ち)。少女を連れ去った人買いは、「人を買ったら再び返さないのが、
俺たちの法だ」と臆面もなく主張する。
 
「どんな時代にもおかしな事件は起きるものですが、室町時代はそれが
慣習として受け入れられていました。現代の感覚では、不倫は許される
行為ではないにせよ、うわなり打ちはさすがにやりすぎ。しかし、中世
人は無理もない、と理解していたのです。今日では絶対悪の人身売買に
しても、死ぬよりはマシだと身売りする人もいたかもしれない。いわば
セーフティーネットの機能もあったのです。また、飢饉のときに買った
子どもを働けるまでに養育したのに、買い戻されては投資が無駄になる、
という人買いなりの法=正当性もありました。様々な場所で固有のルール
が認められていて、時にそれらがぶつかり合う時代だったのです」
 
 つまり、統一されたルールや規格は存在しない。年貢米を量る枡(ます)
の大きさは地域で違っていたし、いまなら幹線道路の信号と信号の間ほ
どの距離で、関所が勝手に設置された。年号すら場所によって異なって
いた。
 
 そうした自由すぎる中世人として本書に登場するのは、農民や商人、
職人、海賊、僧侶など、名前も知られていない人々。当然、まとまった
史料などない。
 
「北から南まで史料を幅広く集めて繋ぎ合わせていくので、なかなか骨
の折れる作業でした。私の師である藤木久志先生からは、『ある習俗を
復元しようと思ったら、史料を最低三つ用意しなさい』と生前によく言
われていました。一例だけでは異常事態だったのかもしれない。二例あ
っても偶然の一致の可能性がある。しかし、三例あれば、社会における

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09月13日(火)
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