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与太郎文庫
by 与太郎
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■ 蛇足 〜 いわずもがな 〜
http://d.hatena.ne.jp/adlib/20070404
むかし愛娘を誘拐された津川雅彦は、彼女の高校入学式に出席して、
校長が「わが校の生徒は、かくかくしかじかで、あらねばならない」と
演説したので、一家三人で席を蹴って退場してしまったそうだ。
せっかく愛娘を入学させたのに、堅苦しいことばかりを要求されては
本末転倒だ。あとを追ってきた先生に「いまからでも他の高校を探す」
と云ったそうだ。結局は話しあって、円満入学したそうだが……。
与太郎の長男の高校入学式では、つぎのような校長あいさつがあった。
「北辰一刀流の使い手で、高杉晋作という達人が、かくかくしかじか」
なんのことやら分らないまま、延々と奇々怪々の講釈がつづいた。
次男の小学校卒業式では、チンプンカンプンで意味不明だった。
「むかし楠の木が生えているところへ風が吹いて、かくかくしかじか」
これも、なんのことやら分らないまま、茫漠たる寓話がつづいた。
◇
与太郎は、たくさん本も読んだし、映画も好きで、人前で演説したり、
司会した経験もある。いかにもっともらしい内容でも、聴衆が耳を傾け
ないスピーチが、いかにくだらないかは十分に心得ているつもりだ。
いまもむかしも裁判官などという連中は、供述調書に「赤ちょうちん」
とあれば、たんに「赤い提灯」のことだとイメージするそうだ。
安酒を呑むための屋台であることも知らない(?)という。
こう語ったのは、オウム事件で有名になった弁護士のひとりだから、
似たり寄ったりの連中であろう。ただし、屋台を知っているくらいで、
下世話に通じているとは限らない(柳田国男《居酒》考に傾聴せよ)。
こういう人たちも、殺人犯に死刑判決をくだすときには、それなりに
意見を述べてしまうのだ。しかし、判決主文以外に何を語っても、誰も
傾聴する義務はない。静粛かつ厳粛でありさえすれば……。
>>
裁判官の「お言葉集」出版 厳粛判決に人間味も
「死刑はやむを得ないが、私としては、君にはできるだけ長く生きて
いてもらいたい」(死刑判決を言い渡して)、「あなたのような動機で
人を殺しては、社会は成り立たない」(殺人などの罪で実刑判決を言い
渡して)。現実にあった裁判で裁判官が発した、ときに厳しく、またし
みじみと考えさせる言葉を集めた本「裁判官の爆笑お言葉集」が出版さ
れた。
著者の長嶺(ながみね)超輝(まさき)さん(31)は大学を卒業し
た98年以降、司法試験に7回挑戦。04年に「もうコリゴリ」と断念
し、ライターに転じた。それでも学生のとき以来の裁判傍聴はやめられ
ず、むしろ「厳粛な手続き中、変わった質問や被告の本音がいきなり出
てくる」おもしろさにひかれた。
裁判での裁判官の発言としては、02年、山室恵・東京地裁判事(当
時)がさだまさしさんの歌「償い」の歌詞を引き合いに、被告の反省が
十分でないと諭したエピソードが有名。「へえ、裁判官ってこんなこと
も言うの?」という思いで、新聞も調べて約100の言葉を選んだ。
長嶺さんにとって最も印象深いのは、交通死亡事故で実刑判決を言い
渡した裁判官の「被害者の命の重みは、駅前で配られるポケットティッ
シュのように軽い。(中略)命の尊さに法が無慈悲であってはならない」
という言葉。妙なリアルさに説得力があり、「言わずにはいられなかっ
たんだな」と感じた。
判決以外の場面でも、「刑務所に入りたいのなら、放火のような重大
な犯罪ではなくて、窃盗とか他にも……」(放火事件で、刑務所志願だ
ったという被告に)など、思わずうなずいてしまうような言葉もある。
幻冬舎から、756円。
□ 本で紹介された裁判官の言葉
・「この前から聞いてると、あなた切迫感ないんですよ」(被告が「生
活費に困って」と言う割に、ぜいたくな生活ぶりが分かって)
・「多少厳しいことを言いましたが、私は、犯罪をやめさせるのが仕事
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04月04日(水)
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