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与太郎文庫
by 与太郎
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■ 卓話《暦の話》
 
http://d.hatena.ne.jp/adlib/19920130
 
 お招きいただきまして、たいへん光栄でございます。自己紹介を、と
思っておりましたが、先程あらましの御紹介に尽きると存じますので、
本題に入ることにします。
 
 私の生年月日は昭和十四年一月二十日、西暦で申しますと一九三九年
金曜日でございます。誕生日が同じ人は、私の計算によりますと、三六
五人以上あつまれば、かならずおられるはずです。
 
 私は、この十日前に五十三才になったばかりでありますけれども、そ
れでは誕生日の何時何分に、あるいは一才年をとるのは何時なのか、と
いうところから、お話をしてみたいと思います。
 
 ことしは閏年ですが、二月二十九日という余分の日がございます。ド
イツ語では、オマケの日とか、ある国では(さしさわりのある表現です
が)私生児などの呼びかたをしております。
 
 しかし閏年というものがなければ、暦はなりたたない。
 二月二十九日に生れた方は、四年に一度しか誕生日がこないから、年
をとらないんじゃないか、当の本人もまじめに考えておられるそうなん
ですが(法的には)民法によりますと、当日の零時零分の直前。つまり
その前日二十八日の午後十一時五十九分五十九秒九九九..・の瞬間に
年をとるということになっております。
 
 ですから、二月二十九日の誕生を祝うとすれば、二十九日の夕食を家
族とともにするよりも、法律的には前日の夜食を楽しむほうが妥当なの
ではないか…。
 
 クリスマスは御存知のようにキリストが生れたといわれている十二月
二十五日ですが、皆さんどんちゃん騒ぎをしませんね。クリスマス・イ
ヴ(前日の夜)に大騒ぎします。キリストが生れたというよりも、これ
から生れるであろうという時にお祝いをするわけであります。
 
 さきの話をくりかえしますが、二月二十九日に生れた方は前日の最後
の瞬間に年をとるわけですから、毎年やはり年をとることになります。
かならず二十八日はあるからです。
 
 女の方で、四年に一才しか年をとらないなどと御自分に都合よく解釈
されてもそういうわけにはいかないのであります。したがって、二十九
日というのは余分な日ではなく半端な日でもなく、不吉な日でもありま
せん。非常に重要な日なんです。
 
 また、私の誕生日は金曜日だと申しましたが、これまで数百人の人に
誕生日を聞いてまいりましたが、自分の生れた日の曜日まで答えられる
方は、まったくいらっしゃらない。きょうは五十人以上の方がお見えに
なっていますが、もし答えられる方がおありでしたら、たいへん御奇篤
で、結構なことだと思います。
 
 まして、奥さんの誕生日は憶えていても曜日まではわからない。お子
さんの場合は「あれはたしかゴルフの日だったから日曜だろう」とか、
「ロータリーの例会の前日だったから何曜日のはずだ」というように他
の条件がある場合はともかく、単に算術的に曜日を計算することは簡単
にみえて意外に簡単ではない。
 
 これにつきましては、占いの分野で工夫しておるようですが、なかな
かうまい方法がないようです。きょうお手元にお渡しした資料(*1 )
は、私なりに苦労しましてなんとかコンパクトに探しだすために試みた
うちの、ひとつの例です。
 
 これを説明しておりますと時間がかかりますので、今日のところは、
お持帰りいただいて、お子さんと御一緒に、あるいは余程おひまな折に、
御自分や御家族の曜日を検索されることをおすすめいたします。
 
 現在、私のコンピュータに入っておりますのは延七万人の生没年月日
(命日はその半分)ですが、これによりますと365日すべての日に、
そうとう有名な方や歴史的に有名な人々が、絢爛豪華しかも平均的に毎
日おられます。
 
 私は、これを七年前に小冊子にいたしましたところ、全国から数千人
の手紙をもらいました。ひじょうにささやかな冊子でしたが、私の生涯

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01月30日(木)
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