ID:87518
与太郎文庫
by 与太郎
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■ パリの104 〜 パリ市1985年3月電話加入者公式リスト 〜
http://d.hatena.ne.jp/adlib/19871022
http://www.enpitu.ne.jp/usr8/bin/list?id=87518&pg=000000
http://www.enpitu.ne.jp/tool/edit.html
Ex libris Awa Library;“進化した”パリの電話帳
>>
取材にハンディ・ビヂオカメラを使うようになって一年半
が過ぎた。
取材という行為は、自分の外の世界に散らばる数限りない
素「材」の一部を切り「取」ってくる行為なので、「取材」
というのである。切り取ってくるためには、道具がいる。取
材原始時代には、「眼」で見て「耳」で聞いて「肌」で感じ
て、それを脳に記録して取材トした。つまり肉体道具である。
今もそれが最も重要であることに変わりはない。ただ、この
取材肉道具は、正確さという点にかけては、少々心もとない。
そこで筆記具とノートの利用が登場し、時代は取材古代に
進んだ。だが、これは筆記文字で概要を書いてくるだけなの
で、ディテールの記録能力に欠けている。そこで録音機が併
用されるようになり、取材中世時代を迎える。カメラの併用
も豊かな取材文化に彩りを加えたといえる。次いで、これら
取材機器の小型化、高性能化が起こる。マイクロカセット録
音機やそのテープの一本で二時間という長時間化、カメラの
小型化やオートフォーカス化がそれになる。取材近世時代が
花開くのである。
しかしながら欲の深い人間としては、まだ満足でぎないの
である。例えば医学の学会の取材に行くとする。研究者の発
表形式は、短時間に相当な数のスライドを駆使しレーザー・
ボインターで映像を指しながら、猛然たる速度で原稿を読み
上げていくというものである。この取材は、ノートとぺンで
は歯が立たない。カメラでスクリーン上のスライドを撮り、
録音機で研究者の発言(ほとんど朗読だが)を記録するしか
なかった。だが取材後に写真と録音内容を一致さぜるのがき
わめて困難。研究者がスライドのどこを指していたのかの、
連続した時間的推移が記録されていないからだ。
取材道異も近代に
が、ついに時は釆た。8ミリビデオの登場である、一眼レ
フカメラなみの容積、重量で、外の世界の素材を、時間の推
移とともに完壁に取ってこられるようになったのだ。
取材道具は、華々しい近代に到ったのである
近代に入ったのはいいが、欲望はとめどもないものである。
新しいハンディ・ビデオカメラ、ハンディカム・プロ(CC
D−V90)がSONYから出たのだ。ちょっとよさそうな
気がして導入へ気持ちが動いてしまって、欧州取材に出る前
日、スタッフの山村紳一郎君に調べてくれるよう頼んだ。わ
が書斎の片隅で、ヨドバシカメラやビックカメラなどに電話
で問い合わせていた彼が、「む−っ]と捻った。「どこにも
ないのだ、全然」
「昨日まで一台あったけど」「予約して一カ月待って下さい」
「いつ入るかわからないので予約は受付けません」
物資不足のモスクワである。手に入らないと知ると、いっ
そう手に入れたくなるのが卑しい書斎人なのである(困った
もんだ)。山村君は、『ビデオサロン』というビデオ機器専
門雑誌を賈ってきて、広告を頼りに片っぱしから専門店に必
死に電話をかけ続ける。五軒、十軒、十五軒。やはり「ない」。
ここで作戦を練った。この広い東京圏のどこかに、必ず一
台くらいあるはずだ。東京の周辺部へ捜索を広めよう。ダイ
アルすること十八本目。町田市に一台だけあったのである。
画像検索」の電話帳を
捜索を終え、入手を果たし、カバンに収めて無事欧州取材
に出たが、機上で今回の物捜しについて考察するうち、もっ
とうまい電話捜索システムがあっていいんじゃないかと思い
始めた。電話をかけた店のほとんどは、行ったことも見たこ
ともないのである。だが、「あそこの町の、あの横丁に、こ
っちの角に置いてありそうな店があったな」と、勘が働いた
店はあったのだ。だが、店の名前がわからない。104番な
り電話帳で、住所から電話番号を検索するシステムがあれば
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10月22日(木)
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