ID:87518
与太郎文庫
by 与太郎
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■ 野生の得る座 〜 ジョイは、ビルの誕生日に殺された 〜
 
http://d.hatena.ne.jp/adlib/19800103
http://www.enpitu.ne.jp/usr8/bin/list?id=87518&pg=000000
http://www.enpitu.ne.jp/tool/edit.html
 
http://www.enpitu.ne.jp/usr8/bin/day?id=87518&pg=19800103
 Ex libris Web Library;BornFree
http://laurasmiscmusings.blogspot.com/2010_11_01_archive.html
 

 Jeff, Sam    映画制作 1902‥‥ America  20000114 98 /サム・ジェフ〜カサブランカ?
 Adamson, George 野生動物学 19060203 England  19890820 83 /強盗団射殺/Joyの夫アダムソン
♀Adamson, Joy   野生動物学 19110120 Austria  19800103 69 /刺殺/Georgeの妻
 Travers, Bill   俳優   19220103 England  19940329 72 /動物愛護運動/誤=ビルトラ・バーズ
♀McKenna, Virginia 女優   19310607 England        /
 藤原 英司     翻訳   19330223 東京          /〜《野生のエルザ 1966》
 Barry, John OBE  映画音楽 19331103 England  20110130 77 /籍=Jonathan B. Prendergast〜《The Lion in Winter 1968》
♀Elsa        ライオン 195601‥ Africa,  19610124  5 /South Africa
 ワクワロエカイ, Paul  牧童 1962‥‥ Nairobi /19800103 刺殺 19810828 有罪「大統領の意志のおもむくままに」

 
── 一九五六年二月一日の朝、わたしはこの人食いライオン征伐のキ
ャンプで、夫が出かけたあと一人でパティと遊んでいた。パティという
のは六年半もわたしたちが飼っているイワダヌキである(略)。
「ジョイ、早く出てこないか、いいものを持ってきたぞ」
 わたしはパティを肩にのせたまま外へとびだした。夫が車からライオ
ンの生皮をひきずりおろしている。とうとうやっつけたらしい。わたし
がそばへゆくと、夫はふりかえりながら車の後ろの荷台を指さしていっ
た。
「おみやげだよ」荷台には、小さいライオンの赤ん坊が三匹、お互い
に何とか顔をかくそうともがきながら押しくらまんじゅうをしていた。
ちょうど小さな斑点のある毛糸玉がもぞもぞ動いているような感じであ
る。まだ生まれてほんの二、三日しかたっておらず、両方の目もまだ薄
青い膜でおおわれていて何もみえないらしい(略)。
 三番目の子は体がいちばん小さくて、いかにも弱そうだったが、やる
ことはいちばん元気がよかった。この子は暇さえあるとそのへんを歩き
まわって、自分たちのまわりを点検して歩いていた。そして三匹が何か
ちょっとでも怪しいものをみつけたりすると、きまっていちばん末っ子
のチビさんが偵察役をひきうけて出かけて行った。わたしはこのチビさ
んをエルザと呼ぶことにした。ちょうどわたしの友人にこのチビさんを
思い出させるような人がいて、その人の名がエルザというので、何とな
くその名をつけてしまったのである。
(略)
 エルザは死んだ。肉体から魂を引烈くような鋭い悲鳴は、それからも
なおしばらくの間、明けやらぬ暁方のほのかな光の中にさまよっている
ように思われた。(略)
 解剖は手早くすすめられ、終るとすぐに夫はキャンプに近い、このア
カシヤの木の下に死体を埋葬した。土盛りがすむと、夫は衛兵の土民兵
を墓の周囲に並ばせ、土の香も新しいエルザの墓の上に三発の弔銃を放
った。銃声は周囲の叢林を越えて、エルザの岩山にこだまし、ようやく
明けそめた暁の空のかなたへ静かに吸いこまれていった。エルザの夫も
どこかでこのエルザの死を弔う暁の銃声を聞いたにちがいない。
 時に一九六一年一月二十四日であった。
── ジョイ・アダムソン/藤原 英司・訳《野生のエルザ 19740625 文春文庫》P000
── ジョイ・アダムソン/藤原 英司・訳《わたしのエルザ 19741225 文春文庫》P000
 
http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/4163651500
── ジョイ・アダムソン/藤原 英司&辺見 栄・訳《野生のエルザ 20030719 文藝春秋》改訂新版
── Hill, James《Born Free 196603‥ England》
 

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01月03日(木)
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