ID:87518
与太郎文庫
by 与太郎
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■ 晩年の石井翁 〜 小柏 又三郎の追想 〜
http://d.hatena.ne.jp/adlib/19630405
http://www.enpitu.ne.jp/usr8/bin/list?id=87518&pg=000000
http://www.enpitu.ne.jp/tool/edit.html
石井 茂吉 写真植字機 18870721 東京 19630405 75 /
── 先生は文字を書かれる仕事とテレビのすもうの観戦とわたくしと
の対話を実にみごとに処理されたのてある。ほんとうにみごとというほ
かないうまさであった。
まず文字を書く方であるが、だいたい出来上がっている文字に手を入
れられていたが、その運筆の優雅さは見る者の心をひかずにはおかぬみ
ごとさであった。石井書体を一言で評すれば優雅ということに尽きるで
あろうが、その源泉はこの優雅な運筆にあったことを知らされたのであ
った。
すもうの方は奥さんが終始ニコニコされながら観戦されており、たび
重なるしきり直しもキチンと熱心にみておられた。そして時間いっぱい
で立ち上がるしきりになると、先生に「あなた」だったか「おとうさん」
だったか忘れたが、要するに合図をされるのである。
そこで、先生は例の優雅な運筆を一時中止されて観戦に及ぶ。そして
勝負が終ったとたん、スウーと優雅な運筆の文字の世界の人となってし
まうのである。またしばらくして奥さんが合図をする。と、また先生は
すもうを楽しむご隠居?になってしまう。
そしてわたくしの方へもその間を縫って話を向けられる。欧陽絢から
償ワ遂良・ペントンへと話題は流れ、宋朝体への抱負など、尽きることが
なかった。(P224-226)
http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/B000JA1W3K
── 石井茂吉伝記編纂委員会《石井茂吉と写真植字機(改訂版)
196906‥ 写真植字機研究所》
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04月05日(金)
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