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与太郎文庫
by 与太郎
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■ 抹茶の倦怠 〜 退屈論から厭世考へ 〜
http://d.hatena.ne.jp/adlib/19570620
やまなみ 13号 もくじ
お願い……………………………園田 民雄…… 2(文芸部顧問)
作家と私(二)…………………富井 康夫…… 7(文芸部先輩)
虞美人草…………………………埋草 書人…… 4(?)
客体から主体へ 〜 現代芸術の理解のために 〜
……………………竹内 康 ……38(2A)
家遠し……………………………下村 福 ……18(国語科教諭)
幸福………………………………野副 紀子……27(2B)
抹茶の倦怠………………………武市 恒子……28(2D)
芝生の草…………………………笠本 義嗣……17(2C)
受験……………………………… …… ……13(?)
一年選集…………………………………文芸部選 ……19
消えた灯…………………………今井 公子……14(1F)
入学試験…………………………石田 良子……15(1G)
電信棒……………………………井上 道子……16(1G)
叡山電車…………………………池野 雅子……19(1B)
のぞみ……………………………山本 邦彦……19(1D)
春を送り夏を迎う………………谷口 尚子……20(1E)
現実………………………………中西 宏 ……21(1E)
春…………………………………大島 雅子……21(1D)
山…………………………………芳野 雅子……22(1D)
中学生
生いたちの記……………………星野 隆昭……23(中3)
法隆寺をたずねて………………革島 良子……16(中3C)
創作
桜草………………………………和田 和代史…29(2D)
乱心………………………………小磯 実 ……35(? )
JEALOUSY………………清水 隆史……41(2F)
編集後記………………山本 悦朗……44(3C)
宮田 昌洪……44(3?)
松浦 和郎……44(2A)
(N) ………44(? )
編集人:山本 悦朗・和田 和代史/印刷所:芸林社
── 《山脈・第13号 19570620 同志社高校文芸部》
(この号は、目次や執筆者の表記に欠落・不整合が多い)
>>
抹茶の倦怠 二D 武市 恒子
近頃季節のせいかいやにぼんやりしていて体がだるい。別にどこが悪
いという所もないのだけれど、どうにもしかたがない。自分は自分だけ
が知っているといったって、自分の自分を知らないことが多い。まして
他人は誰も自分を知らないなどといって悲しがることはない。他人は畢
竟身身に違いないから他人をせめるにあたらない。相互に相手を睨合い
ながら表面はおだやかだ。自分の満足を求めるだけ。そんなことは考え
ない等と野暮なことはいわぬことだ。強いものはいいが弱いものはそん
だ。他のものも自分のものも信用する事の出来ないものほど損なものは
いない。生活方法の絶対究極は無為に従ふて無為に生かされる……と昔
から、どうするにも仕方がなくなった人がよくいったものだ。自分には
無為体究なんて思うだけ実に無為なもの。といって別にどうしようもな
いから時に従っているだけ。実につまらんけれども、どうしようもない
から仕方がない。
湯釜の音を聞き、茶碗の内を見ながら、お薄をスーとのむ。そしてし
ばらく茶碗を持ったまゝぼんやりしいる。それは感傷じゃない、或る満
足感かも知れないけれど、そこに永遠性のどうにも仕方のない退屈を感
ずるのである。
── 《山脈・第13号 19570620 同志社高校文芸部》
06月20日(木)
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