ID:87518
与太郎文庫
by 与太郎
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■ シケモク 〜 ニヒリズムの小道具 〜
Ex libris Web Library;上原 謙
http://d.hatena.ne.jp/adlib/19490523
── 吉村 廉・監督《美貌の顔役 19490523 大映》上原 謙・主演
http://d.hatena.ne.jp/adlib/19951228
《映画100年表》解題
上原 謙(清亮)俳優 19091107 東京 19911123 82 /〜《愛染かつら》加山 雄三の父
http://d.hatena.ne.jp/adlib/19510402 岩倉家の人々 〜 五百円札の末裔 〜
http://www.enpitu.ne.jp/usr8/bin/search?idst=87518&key=%BE%E5%B8%B6+%B8%AC
たった今、人を殺めた美男が、屋台の客になりすます。コップに酒を
注がれるまでの束の間に、ポケットから“シケモク”を取りだす。
ロンソンらしきライターで点火するも、手が震えて二三度しくじる。
美男と高級喫煙具と“シケモク”の三点セットが、当時の世相を象徴
していて、子供ごころにも通じる通俗性があった。はたちを過ぎてから、
屋台でコップ酒を呑むたびに思いだすほどの名場面である。
“洋モク”は外国タバコ、“シケモク”は湿った吸殻で、最後の一服
を残して揉み消し、そのままポケットに仕舞っておく。このいじましい
習性は、この映画から15年後(1964)まで続いていた。
かの滋賀銀行の集金員は、毎朝やってきて、前日の売上げを預かって、
しばし世間話をして立ち去るのが日課だった。いくらなんでも、メモも
署名もなしに現金を受渡しするのは不味い、と別に記帳することにした。
当時は郵便局も銀行も、すべて手書きの預金通帳で、軽々に持ち歩く
ものではなかった。小商売といえども、日々の売上げは銀行員の月給に
相当するので、それなりの信頼関係が存在したのである。
そうはいうものの、くたびれた中年男が、一本のタバコを三等分して、
それぞれ三回に吸いわけ、そのつど銀紙に包んで紙箱に戻す姿は侘しい。
堅気の銀行員なればこそ、内心ひそかに思いあがっていた気配もある。
父の店を任されるまでの短期間だったが、はたして大事件が起った。
http://d.hatena.ne.jp/adlib/19661108
コロナの女 〜 滋賀銀行9億円横領事件 〜
http://d.hatena.ne.jp/adlib/20020226
さらば、ニコチン 〜 私の二・二六事件 〜
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(20160616)
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05月23日(月)
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