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与太郎文庫
by 与太郎
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■ 嫌われる勇気 〜 The Courage to be Disliked 〜
Adler, Alfred 精神科医 18700207 Österreich 19370528 67 /精神分析・心理学。
── 岸見 一郎&古賀 史健《嫌われる勇気 〜 自己啓発の源流
「アドラー」の教え 20131213 ダイヤモンド社》
http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4478025819
…… 書店で、広い面積を占めるのが「自己啓発本」のコーナーだ。出
版不況でも、堅調な売り上げをみせる。日本発の自己啓発本が海外でも
人気を博し、今春、世界累計1350万部を突破した。人気の背景を探った。
(金来 ひろみ)
「人生を主体的に」教わる
書店の目立つ位置に、ロングセラーの「嫌われる勇気」が並ぶ
4月下旬、東京都千代田区の「丸善丸の内本店」を訪れると、青い表
紙の単行本が、目立つ場所に並べられていた。
「自己啓発の父」と呼ばれるオーストリア出身の精神科医、アドラー
の心理学を解説した。出版元のダイヤモンド社によると今年4月現在、
国内発行部数は323万部に上る。
書店の担当者は、「自己啓発本は、昇進して部下を持つようになった
人など、新生活の指針がほしいときに手に取られることが多い。ただ、
10年以上売れ続けることは珍しい」と話す。
この本はフロイト、ユングと並び「心理学の3大巨頭」と呼ばれる
アドラーの思想について書かれており、青年と哲人が議論を交わす対話
形式で進む。「すべての悩みは対人関係の悩みである」「自由とは他者
から嫌われることである」「他者の期待を満たすために生きているので
はない」といったアドラーの考えに、青年がことごとく反発するという
ストーリーだ。
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何度も読み返しているという東京都内の会社員の女性(41)は、職場
の人間関係に疲れたときにこの本を読み、「他人の評価に振り回されず、
自分の人生を主体的に生きなさいと教わった」と話す。
常識覆される「嫌われる勇気」はなぜ読み続けられているのか。
編集者の柿内 芳文さんは、斬新な読書体験が理由として考えられる
という。「登場人物の青年が抱く疑問は、読者の疑問そのもの。圧倒的
な没入感が本書にはある」と分析する。
共著者で哲学者の岸見 一郎さんは、「現状に満足していない人に対
し、本書が『じゃあ、どうするのか』という指針を与えた。自分の考え
ていることは間違っていないと背中を押したのではないか」と考察する。
もう一人の著者で、ライターの古賀 史健さんは、SNSが広がり、
日本の閉鎖的な構造が可視化されるようになったことを理由に挙げる。
「一体感を重視し、集団からはみ出さないことが求められる中、多くの
人が、今まで常識とされたことが実はそうでない、従う必要はないんだ
と気づいた」という。「嫌われることを恐れるな」と説く内容が、「自
分を強く持つための、大きなよりどころになったのではないか」と分析
する。
発祥は18世紀米国 日本では「学問のすゝめ」
そもそも自己啓発本とは何か。
国内外の約1000冊を読破した愛知教育大教授の尾崎 俊介さんに
よると、自己啓発本の発祥は18世紀末のアメリカ。「建国の父」の一
人として知られるベンジャミン・フランクリンの自伝が先駆けという。
「出自が低くても自分の努力次第で出世することができる」と説いた。
日本では、明治時代に出版された福沢諭吉の「学問のすゝめ」が始ま
りとされ、「人は誰でも学問をしさえすれば出世できる」と教え、導い
た。
尾崎さんによると、「自己啓発本に共通するテーマは、『あなたの人
生はあなた自身の力で変えられる』というもの。身分制度が廃止される
など、個人の社会的地位(階層)の流動性が高まる時代に生まれやすい」
という。
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日本で自己啓発本が支持されるのは、「向上心にあふれ、勤勉な国民
気質に合致しているからではないか」と説明する。
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05月28日(金)
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