ID:87518
与太郎文庫
by 与太郎
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■ 定型文 〜 妻を恋うる手紙 〜
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Ex libris Web Library;Love letter from Vermeer
Vermeer, Johannes 16321031? Olanda 16751215 43 /
http://www.city.kyoto.jp/bunshi/kmma/exhibition/vermeer_2011.html
フェルメール《手紙を読む青衣の女 1663-64‥‥ アムステルダム国立美術館》
山田 順三くんの家で、彼の兄の友人だという同志社中学校の先輩が、
たわむれに書いたラブレターの定型文は「貴女の胸の轟が」で始まった。
いつの日か与太郎も書くつもりで、何度も練習した。(自伝草稿より)
…… そなたの心臓の鼓動が微かに響いてくる様な気がする。そなたの
心臓が一秒々々と動くとき屹度僕の心もその刻みに入ってゐるのだらう
ね。── 沢地 久枝《妻たちの二・二六事件 19750210 中公文庫》P129
…… ここに紹介するのは、ある事情から名前を伏せるが、もっとも急
進的であった陸軍中尉Aの獄中書簡である。(略)
明朝九時判決言渡しと、軍法会議から通告された七月四日夕刻の手紙
である。別れて百三十余日、二十九歳の心と躰は、獄舎の頑丈な格子を
越えて、妻に向って突進しそうな一瞬をもったのである。
A中尉の日常は「北一輝聴取書」の「非常に急進無謀の事を考へる男
ですから、私から特に注意した事が記憶に残つて居ります」という評に
集約されている。この手紙には、そういう青年将校が心の襲にしまって
いた生ま生ましい感情が息づいている。
a夫人は、このとき二十二か三。豊かな商家の娘で、Aに見染められ
ての結婚である。(略)
事件の直前、A中尉は襲撃分担の打合せのため、ある地方都市の同志
に会いに行った。蹶起のための弾薬運搬の仕事も兼ねてのことである。
このときAは一人ではなく、偽装のための女連れであった。そしてその
女性はa夫人ではなかったのである。新婚の妻と濃やかな愛の生活をつ
づけながら、Aは結婚前の愛人との関係を復活させていたという。「焼
けぼっくいに火がつきました」とAは親しい人に洩らしたと言われる。
妻以外の女性と一緒だったとして、本当によりが戻ってのことか、或
いは単に妻を危険にさらしたくないと考えてのことか、A中尉は釈明の
機会を持たなかったが、夫の銃殺の直後に、この同行の女性を知ったこ
とは、夫人にはひどい衝撃であった。夫人は、夫の遺骨の前で、夫の遺
品をを整理するうち、夫の日記帳をみつげたのである。懐しい夫の筆蹟、
夫の感情の起伏や行動を辿るうちに、思わぬ一行にぶつかったのだとい
う。
http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/4122001854
── 沢地 久枝《妻たちの二・二六事件 19750210 中公文庫》P128-9
丹生 誠忠 陸軍中尉 19081015 鹿児 東京 19360712 29 /銃殺(にう・よしただ)
♀丹生 すみ子 誠忠の妻 1914‥‥ 東京 ‥‥ 19‥‥‥ ? /旧姓=森 寸美奈子/19350424 結婚(本間中将媒酌)
http://randomkobe.cocolog-nifty.com/center/2010/04/100-a1e4.html
対島 勝雄 陸軍中尉 19081115 青森 東京 19360712 29 /銃殺/19341225 結婚
♀対馬 千代子 勝雄の妻 1912‥‥ 静岡 ‥‥ 19‥‥‥ ? /旧姓=松永 少佐の娘/1936‥‥ 自殺誤報
対馬 好彦 勝雄の長男 19360116 静岡 /
栗原 安秀 陸軍中尉 19081117 佐賀 東京 19360712 29 /銃殺
♀栗原 玉枝 安秀の妻 1913‥‥ ‥‥ ‥‥ 19‥‥‥ ? /旧姓=□□/19360725 服毒自殺未遂/19‥‥‥ 再婚
…… 襲撃目標と犠牲者、難を免れた人、誤って殺された人。
http://d.hatena.ne.jp/adlib/19360226
二・二六事件碑 〜 襲殺・射殺・刺殺・自決・処刑・延命 〜
http://d.hatena.ne.jp/adlib/19520712
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07月04日(土)
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