ID:87518
与太郎文庫
by 与太郎
[1061567hit]
■ PRAD《印刷入門》 序説:紙を汚した技術史
して 力いっぱい刷りこむわけです 200枚も刷ると原紙が破れる前に
まず息が切れてしまいます(芙)ですから原紙が破れると その版はお
しまいですね
土井 スクリーン印刷も スクリーンを使わずに済むなら それこそ理
想的なんです しかしガリ版とちがって支持体がなくなると バラバラ
になりますからね(笑)
岡 絹以外のスクリーンも使うんですか
土井 テトロン・ナイロン・ステンなど ステンの場合は織らずに組ん
だものを使います
岡 フイルム状の物は使いませんか
土井 スクリーンとしてじゃなく スクリーンの上で使うわけです イ
ンクを通さないための障害物として考えられたものです たとえば 塩
化ビニールの溶液に感光剤を混ぜたものをスクリーンに塗布します 日
光写真の原理で光を当てて インクの通る部分を薬品で洗い流します
最近はICやプリント配線など 精密な物を要求されますので ますま
すスクリーンが邪魔になってきたのです 網目の部分にインクがつまっ
て100枚目あたりからそれが乾き始めます すると その部分の電気抵
抗が微妙に増減する結果を招くわけで その予防に苦労させられます
── たとえば 不織布の上のようなものが出現しましたね 和紙みた
いに不規則な織り方をしたものにボールペンで筆圧を加えて その部分
にインクをしみこませる デュプロなどもこの原理ですね
岡 マイ・プリンターなんて商品もありますね ヤスリの要らないガ
リ版で便利だけどもやっぱり鮮明ではない
土井 新製品は 完全なものでなくても参考になるものがありますね
最近の“プリントごっこ”などなかなかよくできてます
河部 私のところも早速買ってきました(笑)ゴムのような樹脂を印刷
に応用したものもあるそうですね 顔写真のスタンプとか 似顔絵の名
刺とか
週刊誌の広告でサイドビジネスに最適なんてのを読んだ事があります
土井 いまは ハンコ屋さんにしても昔みたいに刃物で彫るなんて時代
ではなくなって樹脂に感光剤を混ぜて 光を当ててから薬品で洗い流す
この場合の凸凹は オフセットの版のようにして おまけにゴムそっ
くりの色に仕あげてあるんです
岡 写真の原理を応用した例が多いようですね
── ダゲールの創始した写真術は腐食という化学定着の発見だったと
いえます 河部さんのところで使っておられるのは簡単オフセット(軽
オフ)ですが これは磁気を応用したものですね
河部 専門家でないから 詳しいことは判りませんが 鉄粉を磁気で集
めて定著しますと 版ができるしかけですあとは輪転機ですから 原理
としては簡単なのでしょう
吉藤 写真も印刷できるんでしょう
河部 できます だけど鮮明な結果を望むとすれば あらかじめ専門業
者に製版を依頼しなければなりません
── つぎに印刷工程の一覧表をみてみましょう
02月01日(水)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ
[4]エンピツに戻る