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与太郎文庫
by 与太郎
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■ 悪友四重奏
馬場 それは、時代がちがうからやで。
竹内 後進国だったから、若い人材が抜擢されたということもある。
阿波 ならば、キミたち優等生はエラクなったのだから、すぐにでも、
二十五才の部下を大抜擢してみてはどうか?
吉田 なかなか、そういう具合にいかんのが会社組織いうもんやで。
(ここで、みんな考えこんだので、しばし沈黙となる。いちばんの落ち
こぼれがエラそうなことを云うから、話がややこしくなってしまった)
阿波 しかし、いまさら云ってみても、もはや手おくれにちがいない。
今夜のところは、このあと誰が払うのか知らんが、河岸をかえてパーッ
と行こうぜ。
竹内 なーんだ、結婚したころと、ぜーんぜん変ってないや。(笑)
阿波 四十五年前の仲間が三十四年ぶりに集まれば、当時の気分にもど
るのは当然だ。もっとも、ほとんどの細胞は入れかわってるはずだが。
吉田 君は手紙で「いまや君にも心ゆるせる酒場があるなら」と書いて
きたが、あいにくどうも心あたりがない。
竹内 ボクも、あんまり京都に居なかったもんで、どこにしようかな。
むかしの店は、ほとんど消えちゃったようだし……。イソムラあたりで
どうかな。
阿波 いそむら? 映画マニアの舶来居酒屋かな。よし、そこへ行こう。
(昔話に熱中するあまり、せっかくゴリが按配してくれた料理の品々に
箸がおよばなかった。女将に言いわけするついでに、軽口をたたく)
阿波 残してごめんよ。なにしろ三十四年ぶりの再会なんだ、ちょうど
オカミが生れたころかな。「ほゝゝ、ほんのちょっと前どすけど」
(ひょっとして昔の女に出会ったりすると、ガッカリするだろうな)
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三木 のり平《のり平のパーッといきましょう 1999 小学館》?
以下、雑稿《京大人品研究所・三大酒場》他につづく。
「ほとんどの細胞は入れかわってるはずだが」
従来の定説では、脳細胞だけが不変とされた。つまり、もっぱら減少
する。ちかごろの新説は、周辺の細胞が変化適応して、その機能を補う
などという。それぞれの学者たちは、何才だったのか。
──「大きなもの、真正なものは、仕上げの笠石を後世にのこす。神よ、
私が何事も片づけてしまいませぬように」
── Melville,Herman《Moby Dick,or The White Whale 185110・・ London》
── 紀田 順一朗《世界の書物 19890320 朝日文庫》P285
(20250714)
09月20日(木)
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