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与太郎文庫
by 与太郎
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■ シンフォニエッタ序章 〜 器楽部中興史 〜
形跡もない。ブラバン最後の上級生も、とくに異をとなえる一言居士は
いなかった(内心ニヤニヤしていたかも知れないが)。
 この独裁者は、つぎの最上級生となる“ゴリ”こと吉田 肇 君の協力
あっての存在だったが、見かけによらず“ゴリ”には外交手腕があり、
OBを通じて楽器を借出し、エキストラの出演交渉をまとめた。未熟な
独裁者に不信感をいだくOB諸氏との調整も、重要な任務だった。
 
 同響在籍のOBにホルンの“トッパ”こと松井秀夫(高校ではトラン
ペット)君、トロンボーンの森本 理 (潔の兄、前々部長の長男)君。
 京響在籍のOBでは、出演こそなかったが、名手の誉れたかく、のち
佐伯和男君の師匠となるクラリネットの村瀬二郎氏。エキストラ出演に、
わざわざ学生服を着込んで「どや、高校生に見えるやろ」と胸をはった、
フルートの村野□□氏。ホルンの広野小四郎氏は、難曲ベートーヴェン
《エグモント序曲》を指揮、本番直前に緊張をほぐすための小噺「手術」
「チャルメラ音程」など、いま思い出してもおかしい。氏にもちかけた、
初のOB&現役合同演奏会《第九》第一楽章は、幻の企画におわる。
 同響や京響などのOBは、なんらかの交流がつづいたが、その他の諸
先輩は、後輩たちの活動に参加協力するたのしみを奪われた。
 いまも由来不明だが、白皙の美少年“フルチン”こと田中□□氏は、
“ブラバン最後のOB指揮者”である。当時の映画《フル・フル》から
連想して、三年生の森本 潔 君が一句ひねった。
「フルちんが、タクトを振って、フルフルや」
 他にも“ブラバン”解体とともに、失われたものがある。
 ブラバン解体に殉じたとは言えないが、それぞれの事情から退部して
去ったのは、トランペットの大橋康彦、大太鼓の福井象三(久雄の弟)、
小バスを吹いていた“ダルマ”こと田中義雄(のち十字屋楽器店 のボスとなり“ヒゲ”と呼ばれた)の三君である。
 草創期の独裁者と“ゴリ”にフルートの有賀誠一君を加えて三銃士、
ダルタニアンは一年下の馬場久雄君であろう。ニコニコして器楽部室に
あらわれた日から、ガラクタのような中古楽器を一丁づつ黙々と調教し、
初代インスペクターとして、下級生の信頼をあつめたパーソナリティは、
シンフォニエッタの歴史に不可欠の存在となった。   (20010308)
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 フルートの村野□□氏は、川瀬蛍公氏が正しい(20030415確認)。
大バス小バス(おおばす・こばす)、中バス(木下聖治)、吹奏楽特有
の楽器群ユーホニウムの俗称?アルト・ユーホニウム(馬場君のソロ)
別稿〜 エキストラ列伝 〜 山田 宏&明/革島 良子(NHKの誘い)
“トッパ”=NHKラジオ・コメディ〜内海突破「松井さん、松井さん」
アレクサンドル・デュマ《三銃士》
 それぞれの事情から退部=転校していった村井淳鶴君。

── FROU-FROU/1954年 フランス・イタリア
監督:オーギュスト・ジェニーナ
出演:ダニー・ロバン、ジーノ・チェルビ、フィリップ・ルメール、
イバン・デニ、ブリジット・バルドー、他
 D.ロバン主演の大河ドラマ。16歳から50歳までの一人の女性を演じた
ロバンであるが、その変わり様は本作の見所でもある。1912年から54年
までという40年強にわたって、ある一人のパリの花売り娘の物語。彼女
は四人の紳士の世話になりながら、それぞれと変転の生活を送りながら、
若い画家との悲恋を経験する...
── http://www3.justnet.ne.jp/~a_matsu/b-b.HTM
映画《フル・フル 1953-1956 》/フルフル=フランス語で絹音の擬音。
 

03月08日(木)
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