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与太郎文庫
by 与太郎
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■ Do! series
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倍率のトリック
たとえば、いかに秀れた建築でも、二倍の大きさで建てたとすると、
とても奇妙な造形になると思われます。単に住めないどころか、この世
のものとは思えない、不思議な感覚が生じるはずです。視点が移動する
からです
印刷用の文字は、一定範囲の寸法で描かれ、読みとるためのもので、
その目的に合うべく、いくつかのトリックが細部に仕組んであります。
一般的には、切りこみ・たまり、などですが、そのまま拡大できたとし
ても、あまり効果がありません。
以上の難関を要約すると、文字に関してはつぎの二点が考えられます。
可読性、もしくは一覧性ともいうべき表現上の問題であり、もうひと
つは制作現場でのトラブルです。
1センチ角の文字を並べる場合と、10センチ角とでは、文字間隔が正
比例しません。単に読めるというだけなら、同じ比率でもよいのですが、
読みやすさが異なるのです。ここでは《可読性・一覧性》と称しておき
ます。
可読性は、とくに指定書体の場合に求められる要素ですが、極限の姿
は記号になります。
道路標識を例にとれば、走行中の運転者が一瞬のうちに判読できる一
覧性も必要です。
たとえばンとソ、シとツ、1と7、IとL、Oと0、ーと−などは、
前後の文字からみて誤読しやすいと思われ、無理に異なった字形を用い
ているのが通例です。
しかし実際に必要でしょうか。
10Kを、アイオーケーと読んだり、OKをゼロキロメートルと誤解す
ることは考えられないのです。
ところが、ンとソ、シとツの場合、手描きの看板などで怪しい例があ
ります。その原因は毛筆で描かれた記号である仮名文字の宿命ともいえ
るのですが、最近ではデジタル文字あるいはコンピューター文字として、
極限化されつつあります。
《Do!シリーズ》は、すべての文字に互換性を求めて、現段階での
慣用度を考慮して開発された新書体といえます。 (波)
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指定書体の系譜(資料X)
ロゴタイプは、社名や商品名を、固有のものとして表現する。素材と
なる文字は、すでに簡略化されていて、その範囲内での可読性があれば
よい──使用しない文字と似ていても、全体の姿から誤読をまぬがれる
だけの効果を要求される。
広告のための文字が出現し、あたらしい角度から文字が再点検される
ようになった。
たとえば大文字と小文字を区別せずに、ラインを共通にしたものや、
感嘆符(!)のような記号を意図的に組みこむ例がある。
やがて、社名や商品名だけでなく、企業イメージを統一し、固有の表
現素材として《企業制定文字》の発想が生れた。
普遍的であるべき文字が、固有の表現に細分化されていく現象は、書
道の芸術化にみられたものである。いまでは、社会構造に占める位置を
明示するために工夫される。
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NEC
↑ いままでのロゴタイプの中で、代表的な例である。力強くシャープ
なタッチを再現するため厳格な割出図が必要である。精密で小さな金属
面などに、正しく刻印・印刷するためのもので、デザイナー自身は関与
しない──割出図そのものは、とくに法則性がなく、使用する目的によ
って調整されている。
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全日空
全日空制定書体──細字漢字1
より速く より高く より遠く
北へ南へ35都市1日400便
全日空ジェットファミリー
↑ タイポスという新書体が登場した当時は、すぐに具体的な用途が見
出せなかった。桑山グループの 根づよい努力により《企業制定文字》
として、いくつかの成果に結びつおたものである。英文に比べて、制作
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09月16日(火)
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