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与太郎文庫
by 与太郎
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■ 月命日の賠償
また、司法の独立などは声高に尊重されるが、それは判決までの議論で
あって、判決後の結果責任が問われないのはおかしい。すべての判決が、
当初の予定どおり執行されたかどうか、死刑なら、いつどこで責任を果し
たかを公開すべきであり、有期刑なら、その後の更正履歴(個人名が人権
侵害なら、統計だけでも)を明示すべきではないか。
このことと同時に、遺族もまた精神的に回復したかどうか世間に向けて
報告すべきである。きびしいことを言うなら、遺族の受けとった賠償金が
どのように消費配分されたかをチェックしなければ、社会的な合意を得た
とは云えないのである。
本来、刑事犯罪の被告は、刑事責任をつぐなえば人権を回復されるはず
である。そのうえで、さらに民事責任を負って、毎月8万円も賠償できる
ような仕事に就くことは、きわめて困難であり、一般的には不可能である。
かりに公務員の場合、罪をつぐなって出所した殺人犯を、おなじ条件で
ふたたび元の職場に復帰させるなら、その責任は担保されるかもしれない。
現実は、社会復帰にあたって差別され、家族が離散することも予想される。
山田みつ子が、満期で出所すれば五十才になる。まじめに服役すれば、
刑期のなかばで仮釈放されるという。すぐに就職できるとはかぎらないが、
前歴をかくして働く中年女性が、とぼしい給料から毎月8万円もの支払い
ができるのだろうか。失業や病気の場合、あるいは生活保護の申請が認め
られたら、この判決はどのように修正されるのだろうか。
実行不可能な判決は、それを下した者に責任がないのだろうか。
被害者と遺族のかなしみは、なんびとも理解できる。だが犯罪者とその
家族への配慮は、成熟した市民社会の課題であり、歴史的にみれば、いつ
の時代も犯罪者は被害者と共存していたのである。
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与太郎の親族には、さいわい過去百年間に犯罪者は居ないが、友人知人
をふくめれば思いあたるケースがある。犯罪統計をみれば、自分をふくめ
ての可能性は充分にあり得る。紙一重であるかもしれない。
12月04日(水)
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