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与太郎文庫
by 与太郎
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■ 読後の感想を語る会 〜 壷井 栄 〜
(註・この記事は編集の都合に依り、意図を変えない限りに於いて、
若干の改稿、省略、順序の変更等を行いましたので御了承下さい。)
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語る人(発言順)
3C 阿波 雅敏
3D 木村 祥子
高島 先生
2B 今村 昌義
3D 遠藤 瓔子 (●=王+嬰)
2E 川北 貞夫
? 宮武 恒夫
3A 内村 公義
古荘 先生
1C 北川 嘉三
3E 吉田 肇
3C 有賀 誠一 (書記)
2A 和田 和代史
2C 清水 隆史
2D 松浦 和郎
3D 河原 満夫 (司会)
── 《図書室便り・第五号 19550316 同志社中学校図書委員会》
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19540102 この日、皇居の新年参賀に三十八万人があつまり、二重橋
上の混雑で十六人もの死者が出た。
三学期早々の授業で、高島春江教諭は、次の歌(作者未詳)を詠む。
「ことほぎて 集ひし人の/……/ニュース悲しも」
先生は、つねづね厳格かつ厳粛な表情であるため、成績かんばしから
ざる生徒たちには敬遠されているが、あくまでもひたむきな文学的熱情
が伝わってくる。誰が名づけたか“オバア”などという卑俗なアダ名は
まことにふさわしくない。あるとき「皆さん、関西にあって日本を代表
する詩人は誰でしょう」と問うたが、答える者がいない。「その名は、
小野十三郎です、よくおぼえておきなさい」
いま調べるに「気分で流すな、ものを見つめよ、観念の物尺は使うな」
と主張するアナーキストであり、同世代の文学少女たちのカリスマ詩人
であったらしい。
またあるとき「皆さんは《君の名は》などという低俗なラジオドラマ
を聴いてはいけません」とたしなめられた。「あんな、安っぽい陳腐な
筋書は、文学とは無縁のものです」誰かが「そうかなぁ」とつぶやくと、
先生はキッとなって「そもそも、あんなに類型的な、あれほどきびしい
お姑さんなど、現実には存在しないのです」と断言した。授業のあとで
悪ガキどもは「センセイも、やっぱり聴いとるんやないか」とささやき
あった。
先生が恐れられた、もうひとつの理由に、薙刀の有段者であるらしい
との情報(誰もその勇姿を見たわけではないが)もあった。そして高校
に進むと、弓道の達人であるという岡谷清子先生にめぐりあう。
19530915 映画《君の名は》《終着駅》同日封切。(Day'20000606)
── 《虚々日々 20001231 阿波文庫》P024-027
(20060109)
03月16日(水)
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