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与太郎文庫
by 与太郎
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■ 時空不可分 〜 space-time indivisible 〜
を読み進めてくださる間に確実に、しかも後戻りすることなく(すなわ
ち一方向に)、絶え間なく流れていく「時間」が存在しています。
【写真】時間と空間は存在する © 現代ビジネス
その両者は今、この文章を書いている私の周囲にも間違いなく存在し、
みなさんが日常の多くの時間を過ごす自宅や学校、オフィスにも存在し
ます。いや、そこがどこであろうと、現時点のこの宇宙に、「時間」と
「空間」が存在しないところなど、どこにも存在しえないのです。
突拍子もないアイデアを思いついたアインシュタイン
きわめて興味深いことに、日常の感覚からはどう考えても別物に思える
この「時間」と「空間」について、決して分けて考えることのできない、
つまり「本質的に一体不可分のものである」とする突拍子もないアイデ
アを思いついた人物が、今からおよそ100年前に登場しました。かの有
名な、アルバート・アインシュタインです。
1915年から1916年にかけて、アインシュタインは「一般相対性理論」
とよばれる物理学史上に画期をなす理論を構築しました。この理論の重
要な主張の一つは、私たちが存在するこの宇宙において、唯一「絶対的」
とよべるものは「光速度」のみであり、その他いっさいの事物はいずれ
も「相対的」なものにすぎない、というものです。
その帰結として、「時間」も「空間」も決して絶対的な存在ではなく、
物質(なかんずくその質量)と相互作用して、ときに縮み、ときに曲が
る、あたかもゴムのようにふるまう“弾性体”であるという描像が提示
されました。
しかもこの両者は、本質的に一体不可分な「時空」として融合され、
その物理的性質を根本から捉え直されることとなったのです。
【写真】アインシュタインの肖像画 © 現代ビジネス
時間と空間が一体不可分であるとはどういうことか。なぜ縮み、どう
曲がるのか。さらには、「時空のゆがみ」こそが重力の本質であるとす
る考え方は、どのように生まれてきたのか——。
「時空のからくり」を解き明かす試みは、アインシュタインが私たち
に迫る「宇宙観のコペルニクス的転回」をたどる旅に他なりません。そ
して、それはすなわち、一般相対性理論のエッセンスを理解する道のり
でもあります。
『時空のからくり』では随所で、“八っつあん”と“熊さん”が物理
学をテーマに対話を進めながら「時空のからくり」をひもといていきま
す。好奇心旺盛な八っつあんの指南役ともいうべき熊さんは、なかなか
の“物理学通”であるようです。
彼らの掛け合いを楽しみながらぜひ『時空のからくり』を……、おや
おや、二人が早速、なにやら話しはじめているようです。
「時間と空間に関する理論」をやさしく解説
八っつあん 熊さん、あんた今、アインシュタインの相対性理論に関
する本を執筆中なんだって?
熊さん ああ。特に「時空」って概念に力点を置いた一冊だ。といっ
ても、啓蒙レベルの本だから、できるかぎりやさしく書いてるつもりだ
よ。
八っつあん ……俺にも理解できるといいな。それで熊さん、相対性
理論ってのは、いったいどんな理論なんだい?
熊さん 相対性理論には二つあって、一つは「特殊」相対性理論、も
う一つは「一般」相対性理論だ。どちらも「時間」と「空間」を扱って
いて、この両方を合わせて「時空」とよんでる。時間と空間が融合した
時空——正確には「4次元時空」とよばれるものだが——、こいつを一体化
して組み込んでいかないと、理論の整合性がとれなくなるばかりか、各
種の実験結果とも合わなくなってしまうんだ。
2016年に初めて検出された「重力波」の存在も、この宇宙がどうして
も4次元時空から成り立っていなければならないことを示すものだった
んだよ。
八っつあん 時間と空間に関する理論か……。なんだか難しそうだな。
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08月22日(火)
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