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与太郎文庫
by 与太郎
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■ 天才と凡才 〜 genius and dullness 〜
Aスペシャリスト:特定の業界や企業だけで経験を積んできたCEO
その後、全CEOの業績を比較したところ、結果はジェネラリストの勝
利でした。スペシャリストに比べて稼ぎが19%も高く、この数字は年収
換算で平均約1億2000万円の差となります。
ジェネラリストの圧勝と言っていいでしょう。
複数の企業で試行回数を重ねたCEOは、特定の業界にとどまったCEOよ
りも多彩な経験を積みやすく、それゆえに自然とバラエティに富んだス
キルや知識が身につきます。自分の得意と不得意への理解も深まり、持
ち前の才能を活かしやすくなるのも大きなポイントです。
また、南カリフォルニア大学が行った調査でも、内部昇進より外部採
用のCEOのほうが成績が良いと報告されており、特定の分野だけで試行
回数を重ねることのリスクに警笛を鳴らしています。
独創的なことをすべきだ。群れを追ってはいけない。
このように、多様性の豊かな行動によって大きな成功を収めたのが、
ヘッジファンドで1兆円超の資産を得たジェームズ・H・シモンズです。
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幼いころから数学が好きだったシモンズは、NSAで暗号解読の仕事に
尽力後、大学で教鞭をとりはじめたところ、資産運用に興味が向かい、
「ルネッサンス・テクノロジーズ」なるヘッジファンドの設立を決めま
す。
ビジネス経験がゼロのまま起業を進めた彼に対し、周囲はみな失敗を
予想しました。
しかし、シモンズはここから意外な行動に出ます。
普通ならば専門のアナリストやエコノミストを雇って運用を始めると
ころを、物理学者、信号処理の専門家、天文学者、言語学者といった多
彩な科学者を雇い入れたうえに、そこへ自分のキャリアで学んだ数学と
コンピュータの技術を組み合わせ、オリジナルの運用モデルを作り上げ
たのです。
当然、そんな素人の運用モデルなど無用の長物だと誰もが思いました
が、現実はシモンズに大きな勝利をもたらします。ファンドの資産額は
17年で6600万ドルから100億ドルにまで成長し、年間リターンの平均が3
9%という驚異的な数字を叩き出しました。
自身の成功を、シモンズはこう説明します。
「独創的なことをすべきだ。群れを追ってはいけない。そして、最大の
指針は『幸運を願う』こと。それが一番大切だ」
これほどまでに飛び抜けた独創性は、シモンズが多様性のある行動を
積まなかったら生まれなかったでしょう。
活躍したフィールドこそ違えど、紹介した天才たちは、みな自分の強
烈な好奇心に従って成功を手にしました。
もちろんそれだけが原因とは言わないものの、生まれつき知能が高か
ろうが、生まれつき強い精神力を持とうが、好奇心という土台がなけれ
ばせっかくの能力も発揮できません。
自らの得意分野を超えたジャンルに興味を抱き、損得の感情を超えて
幅広いチャレンジを重ねなければ、どんな才能も生かされずに終わりか
ねないでしょう。
つまり、真の天才とは、死ぬまで人生を探索できる人間なのです。
では“好奇心”というスキルを身につけ、人生を探索し続けるにはど
うすべきか?
最大のポイントは次の言葉に集約されます。
「うまくいくまで、うまくいっているふりをせよ」
もし何者かに生まれ変わりたいと思うなら、その人物の思考と行動を
まねすることで、やがて思い描いた通りの人間になれる。そんな大衆知
を端的に表した、英語圏では定番のフレーズです。
なんの手がかりもなく自己の改善を図るよりは、明確なロールモデル
がいたほうが格段に成功に近づきやすいはずです。
そしてここ数年の研究により、私たちの好奇心もまた、「うまくいっ
ているふり」で向上することがわかってきました。
好奇心はインストールできる
南メソジスト大学の心理学者ネイサン・ハドソンら研究チームが、大
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03月06日(月)
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