ID:87518
与太郎文庫
by 与太郎
[1057724hit]

■ 紀州の塩爺 〜 Salt Grandfather in Kii Peninsula 〜
政運営が始まったかにみえた。
 
 実際、築地市場の豊洲への移転問題が注目を集めていたころ、移転先
の土地を持っていた東京ガスと、都の間での過去の交渉に関する記録が、
ほぼ完全な状態で開示された。
 
 だが、この記録を元に追及されたのは、石原元知事の腹心だった浜渦
武生元副知事ら、自身がターゲットとして攻撃してきた関係者だった。
 
 要するに、小池知事が積極的に公開する情報はあくまで、公開するこ
とが自分にとって有利に働く場合、つまり、自分の敵が痛手を負うケー
スに限られる。
 
 病床の“女帝”こそ「ブラックボックス」の中
「うつ状態らしい」との情報提供もあった
 
 逆に、都民ファの新人都議会議員が初めて議会質疑に臨む際、小池知
事の特別顧問だった小島敏郎氏が都議の質問文を作成したとの疑惑が浮
上した際には、法律上の仕組みを駆使して公開を阻止しようとした。
 
 自分に不利な情報は、徹底的に隠す――。これが小池知事の大原則な
のだ(詳しくは、拙著『ハダカの東京都庁』(文藝春秋)を参照願いた
い)。
 
 要するに、小池知事の言う「情報公開」とは、自分勝手なダブルスタ
ンダードで成り立っているにすぎない。
 
 そして、今回の開示請求に対する結果である。確かに、病気入院とい
うプライベートな事情が絡んでおり、開示請求になじまない側面もある。
 
 しかし、小池知事が入院した6月22日ごろ、新型コロナウイルスの1日
の新規感染者数は400〜500人前後で推移し、その後増加に転じて今に至
る。東京オリンピックについて、有観客とするか無観客とするかの議論
も大詰めを迎えていた。
 
 そんな状況の中、日本の首都を預かる東京都知事が、第一線から一時
的にせよ離脱するという緊急事態が生じていたのだ。もっと丁寧に、そ
して正確に、自らの健康状態を都民に説明してしかるべきではなかった
のか。「文書は残っていません」で済まされる話ではない。
 
 また病状に加えて、公務を代理した多羅尾副知事との間で、どのよう
な指示命令系統が作用したのかは極めて重要である。これこそプライベー
トではなく、都知事としての公務の中核に関する問題だ。入院中の意思
決定は一体どうなっていたのか、行政のトップとしてつまびらかにすべ
きである。
 
 こうした基本的な部分をブラックボックスの中に隠してしまい、明確
な説明をしないから、やれ小池知事本人がコロナにかかっただの、いや
ペットロスらしいなどと臆測が飛び交うのだ。
 
 ちなみに、私は都庁のある管理職から「小池知事は軽いうつ状態のよ
うです」と連絡をもらったが、本人がだんまりを決め込んでいる以上、
事の真相は闇の中である。
 
「バタッと倒れても」と忘れず再び発言
 次の選挙に向けた「がんばってる感」
 
 退院後の小池知事の動きも、怪しいとしか言いようがなかった。ドク
ターの指示に従って、当面はテレワークに専念するとしおらしく説明し、
一度は都庁の会議にリモートで参加していた。
 
 にもかかわらず、前述のように都議選最終日の7月3日には、電光石火、
都ファ候補の応援に都内約20カ所を駆け巡ったというではないか。
 
 ドクターの指示は、一体どこに消えてしまったのだろうか?こんなこ
とをするから、仮病だったと陰口をたたかれるのだ。
 
 これもまた、病気という「情報」を自分の思うように操作して、政治
利用した典型例だといえる。やはり、この人には診断書を提出させるこ
とが必要だ。そうでなければ、都民が何を信じたらいいのかわからない
ではないか。
 
 さはさりながら、“病み上がり”のイメージを操って、大敗必至の都
ファを14議席減に踏みとどまらせた手腕は驚嘆に値する。選挙こそが、
小池知事を体調不良から回復させる何よりのカンフル剤なのか。入院や
静養より、選挙の方が効果てきめんらしい。
 
 都議選後、すっかり元気を取り戻した小池知事は7月15日、来日中の

[5]続きを読む

07月20日(火)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ

[4]エンピツに戻る