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与太郎文庫
by 与太郎
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■ 脱隣考 〜 壁近し、となりは何をする人ぞ 〜
「さよなら列車」まで、乗客一同たっぷり聞くことができた。
注意すれば逆ギレするかもしれないので、みんな沈黙していた。
車内コンサートが終るころ、ようやく現われた車掌に、客のひとりが
目くばせした。車掌は、青年の肩に肩に手をあてて、やさしく云った。
「他のお客さまに迷惑だから、音を小さくネ」青年は素直にうなずいた。
車掌が去ったあと、ほっとした乗客に、青年は、静かなプレゼントも
用意していた。目にしみるような強烈な、あの懐かしい匂いだった。
バツの悪そうな青年の表情に、みんな必死にこらえたのだった。
◆
以下、下宿の壁(未完草稿)につづく。
4.下宿のギタリスト 〜 天覧試合の夜 〜
5.下宿のバイオリニスト 〜 賄婦と家庭教師 〜
(20080511)
05月11日(日)
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