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与太郎文庫
by 与太郎
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■ 大阪名物 〜 くいだおれが倒れる日 〜
 タコヤキの原型は「ベタ焼き」といって、メリケン粉に醤油を垂らし、
フライパンで焼いたのが起源である。醤油がソースに進化して、ネギや
イカの切っぱしを乗っけたのがお好み焼きで、包んだのがタコヤキだ。
 
 さらに、もっとグロテスクな外観を楽しみたい連中が、モンジャ焼き
と称するメニューを開発した。
 何が入っているのか分らないので「ナンジャモンジャ」に由来する。
 
 イカをタコと詐称したのは、あさはかな知恵だが、のちに正真正銘の
タコを包むことで、関係者は胸をはった。これらが“コナモン”と総称
されるに至った経過は、以下(イカ)の如し。
 
 むかしむかし(1960年代)素うどんをオカズに白飯を食べる父の姿に、
叔母が目を丸くしていたことがある。
 彼女は「今晩さっそく家で試してみる」と云いながら帰っていった。
 
 やがて、中華食堂で「ラーメン・ライス」のメニューが定着した。
 ついで「おきまり定食」とあるのは、ラーメン&チャーハン(焼き飯)
だという。なるほど、食べざかりの若者なら食欲が刺激されるだろう。
 
 のちに「ヤキソバ・ライス」「お好み焼きライス」「餃子ライス」が
出現し、麺類から“コナモン”に退化しつつある。いずれ「チャーハン・
ライス」や、赤飯と白飯の「紅白定食」が登場するにちがいない。
 
 ◆ ムネヤケ文化 〜 たこやきにコーヒー 〜
 
 むかし岡山営業所長にスナック・ミカプチニへ案内された(19790912)。
 そこで(嘱託社員の)与太郎が、大阪本社の経理課長だと名乗って、
ママをからかった。「なるほど、ここがあの店だったのか」
 
「まぁ、うちの店を存じてらして?」
「もちろんだ、毎月、請求書でお目にかかっていたからね」
「あぁら、今後とも、ごひいきによろしくお願いしますワ」
 
 という具合に打ちとけ、ざっくばらんな雰囲気になる。
「まぁなんだね、これからは集金の折には、手ぶらではなく、たとえば
タコヤキなんか買ってきて、みなさんいかが、なんてどうかな」
 
「まぁ、そんなことならお安い御用ですワ」
 その月末に、ママが集金にやってきた。
「これ、つまらないものですけど、みなさんでどうぞ」
 
 たちまち職場にタコヤキが配られ、なぜか本社の経理課長も座ってる。
「あーら、課長さん、今日もご出張ですか。ぜひ今晩お待ちしてますわ」
「うん、そうだね。監査が片づいたら、所長のお供でお邪魔するかな」
 
 和気藹々のうちに、彼女は応接セットに招かれ、煎茶をふるまわれた。
 ここで所長が、なぜか女子社員に、コーヒーの出前を命じた。
 かくて運ばれたコーヒーとともに、一同タコヤキを賞味したのである。
 
 せっかくだが、タコヤキなどのソース味は、コーヒー味と合わない。
 日本独特の濃密なソースの風味は、どの飲料ともフィットしないのだ。
 こんなものを大阪名物だと主張する人々と、同席したくない。
 
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04月08日(火)
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