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与太郎文庫
by 与太郎
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■ 花と嵐 〜 まさかの与太郎伝 〜
与太郎は、アタッシュ・ケースから名刺を取りだして見せた。
「ようし分ったな、三千円だせ!」ヤクザ風が、しぶしぶ財布を出す。
それをつまんで、天井めがけて投げちらす。
「ママにチップだ、釣りはいらんぜよ」とまぁ、タンかを切った。
あまりの勢いに、ヤクザ風がシッポをまいて帰りかけたので、ママが
拾いあつめた三枚の紙幣を受けとり、一転して「冗談だ、返してやるよ」
とつきだすと、何なく受けとって出ていった。とんだ武勇伝が終った。
われながらカッコよく演じたつもりだったが、その後スポンサーは、
二度と与太郎の接待には応じなくなり、ヤクザ風も現われなくなった。
与太郎だけが見栄を切って、ママは二人の客を失ったのである。
数ヶ月のちには、他の事情から不首尾がつづいて、このスポンサーを
失うことになった。起死回生の大作を受注して、ふたたび担当者と祝杯
を挙げるまでの数年間、とてものことに苦労したのである。(20060810)
◆
はじめボクシングの、亀田一家の“タメ口”を論じるつもりだったが、
そもそも“大阪弁”を論じるための草稿があり、とてもまとまりそうに
ないので、とりあえず与太郎のエピソードを書きとめておく。
以下“許せない三傑”のパフォーマンスも、いずれ別稿で論じたい。
年下の演出家に台本を破られた男。
香川 登枝緒 漫才作家 19170823 大阪 19940329 69 /朝日放送〜スチャラカ社員//てなもんや三度笠/松竹新喜劇/籍=加賀 敏雄
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香川 登志緒の台本を破り捨てた男。
沢田 隆治 プロデューサー 19330318 大阪 /〜てなもんや三度笠/籍=澤田 隆治
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たかが演出ごときで灰皿を投げつけた男。
蜷川 幸雄 演出 19351015 埼玉 /宏子の父/真山 知子の夫[A]開成高校
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聴衆に隠して指揮棒を(胸元で)振る男。
Chung Myung-Whun 指揮 19530122 韓国 /ピアノ“三姉弟妹”の弟
/籍=鄭 京和〜李 元淑《世界がおまえたちの舞台だ 1994 中央公論社》
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08月10日(木)
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