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与太郎文庫
by 与太郎
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■ 幻の弦楽技法 〜 失われた本をもとめて 〜
下鴨の下宿先をふくめて合計5回のレッスンで挫折してしまったが。
(Let'19570322)
(後日註)
その後の最新情報によると、このころ野村先生は亡くなられたらしい。
上野達弘氏のチェロで《野村武二メモリアルコンサート 20010825 》
《月刊・アルペジオ》のころ、インタビュー・シリーズを企画したの
は、この本が拠点である。その途中で迷いが生じたときなど、もう一度
読みかえしたくなった。
この本は、最後にコントラバス奏者数人が登場して、それぞれ室内楽
における役割を述べる。松本清張が「究極の文学形式は“供述調書”に
尽きると述べているが、まさに同感だ!
こんなに面白い本が、市場から絶滅するとは思いもよらなかった。
(東京時代に、他の文学書にまぎれて売っぱらってしまったらしい)
売り払ったのではなく、後輩の誰かに貸したままではなかったか、と
思いなおして、若林通夫と杉林博子の両君に電話すると、彼らは「ボク
も(ワタシも)そんな本は覚えていない」と強く否定した。
不当に催促されたように感じたらしく、両君とも不機嫌な反応だった
が、後日むかしの書簡目録をひもといてみると、貸した日付は記録され
ている。(Let'19600225 from Mr.Wakabayashi,Michio)
こんなことを書くと、古い証文をもちだして、相手かまわず催促する
ように見えるかもしれないが、まったく本意ではない。失なわれた時を
求めているだけで、その物を惜しんだわけではないのだが……。
カンヌ管弦楽団に在籍する若林君に「むかしの手紙を公開したい」と
伝えたところ「恥ずかしいから勘弁してもらいたい」と返答された。
この問題については《ラブレターの著作権 20021203 与太郎文庫》他
でも言及しているが、いままでのところ考えがまとまっていない。
こうして数十年たつと、かつての高校生も還暦を過ぎて、回想の世代
に入ってしまった。
そして、今朝(19990630)目ざめてすぐにこの本のことを思いだし、
今日こそは、この本を探しだそうと決心したのである。これほど有益で
格調たかい書物なのだから、どこかの図書館に保管されるか、かならず
や再版されたにちがいない。
1.倉敷中央図書館 086-425-6030
購入ソフトを検索。1982コンピューター導入時の内容、絶版を含む。
2.音楽之友社 03-3291-7811
むかしとは社風が変ったらしく、口の利き方がぞんざいになった。
翻訳書の再版は、書名を変えることもあるらしい。
(辻修編集長のことなど。当時の社員は岩崎かずお氏だったらしい)
3.神田書店 03-3261-1239(音楽之友社の紹介による古本屋)
4.図書新聞社 03-3234-3471(音楽専門の図書館はない)
5.白水社(心当たりなしの返答。他の出版社かもしれない)
6.全音楽譜出版社
(最初に電話すれば解決したはずだが、いくつかの不運が重なった)
7.国会図書館 03-3581-2331 → 検索担当者
隣席のオペレーターと(皆既日食のことなど)私語が聞こえる。
「所蔵してないですね。もうちょっと(くわしい)情報を得てから
問合せてください」ここは、まったく時間のムダだった。
8.東京芸大図書館 03-5685-7500 EX.7 図書館利用 → 検索担当者
かつて《音楽100年表 19680801 十字屋楽器店》の寄贈に対して、
激励の手紙を下さった小川 昂氏の大著《日本洋楽書索引》はどうか。
おどろくべきことに、この本もインターネット上で発見できなかった。
《日本書誌大系(全4巻)日外アソシエーツ》にも掲載なし。
ママよ“でーやん”なら知ってるはずだ。
なにしろ彼は、つねづね“カタログが背広を着ているような人物”を
尊敬していたから、彼自身も相当なカタログマンにちがいない。
いままで聞かれたことで知らないとは決して云わなかった男である。
よし、これで判明するぞ。
「もしもし、出谷センセイのお宅でいらっしゃいますか」
「さようでございます」
「倉敷のあわ、と申しますが、センセイはご在宅ですか」
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06月14日(月)
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