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与太郎文庫
by 与太郎
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■ 越後屋の歯齢 〜 お主もワルよのう 〜
整備,医療における情報提供の推進,歯科医師の臨床研修の必修化など
が方向づけられています.
日本歯科医師会は歯科医療資源を有効に活用する視点と医療の質の確
保の立場から,歯科医師需給問題に真剣に取り組む一方,高齢社会の到
来に伴い,口腔介護や高齢者医療の分野での,チーム医療の実践に向け
た地域歯科医療連携基盤の整備は重要と考えています.
本書が取り上げた「コミュニティと歯科医療をつなぐ連携システムの
実践」は,病診連携システムを軸にしながら,コミュニティとかかりつ
け歯科医をどのように結びつけるかの実践例が多く掲載されており,今
後の歯科医療提供のあり方を示唆するものと思います.
歯科医療に対する国民のニーズが多様化・高度化してきている現在,
新しい時代に相応しい歯科医師となるには私たち自身が意識改革を行わ
なくてはなりません.本書がその一助となれば喜ばしい限りです.
2001年7月
序文
病診連携の重要性が指摘され,保険診療等の諸制度に具体的に取り入
れられだしてから久しい.病診連携の目に見える方策として保険診療に
情報提供料が設定されたが,当時の歯科界はその意味するところをほと
んど把握することができなかった.
次に歯科界に病診連携が提示されたのは,介護保険法の創設前後にス
ポットの当たった「かかりつけ歯科医機能の充実とその支援」という考
え方のなかで,支援の一策として病院の機能というものが出てきたとき
であった.
平成7年前後から,訪問歯科診療に大きな動きがみられ,平成8年から
は厚生科学研究で「口腔保健と全身的な健康」が始まり,歯科界は自ら
の問題として要介護高齢者をとらえだすという時期を迎えたのである.
ちょうど時を同じくして,医療法の見直しがあり,地域医療支援病院の
創設が厚生労働省の医療審議会で検討されだしたが,このときから歯科
界は明確な問題意識をもってこの変革に立ち向かうこととなった.その
結果,厚生科学研究「かかりつけ歯科医と地域医療支援病院等の連携推
進に関する研究」が坂井剛主任研究者のもとで開始されることとなった
のである.歯科界としては従来どちらかといえば遠いところに位置づけ
てきた「病院」をはじめて正面からとらえたもので,画期的な研究であ
った.
本書はこの研究班の成果をもとに,さらに幅広く病院機能をとらえ,
かかりつけ歯科医のもつ機能との連携のあり方を実践例を中心に掘り下
げたものである.そこには国民の福祉に貢献する多くの果実があり,地
域における歯科医療の展開に明日からでも活用すべき実績(経済の裏づ
け)があふれている.
平成13年度から厚生労働省は,「要介護者等歯科保健サービス基盤整
備事業」を開始した.これは,病診連携の一段の進展をねらった事業で
ある.21世紀に入って明らかとなったこのような新たな歯科界の流れに
本書が十分貢献することを期待して序文としたい.
2001年7月 編集者一同
── 梅田 昭夫・共著
《病診連携で変わるかかりつけ歯科医機能 200108.. 日本医歯薬出版》
http://www.ishiyaku.co.jp/search/details.asp?bookcode=441240
ISBN4-263-44124-9 <発売中>
04月16日(金)
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