ID:87518
与太郎文庫
by 与太郎
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■ ぬばたま
だろうか。そもそも鳴き声はおろか、その姿も知らないのである。
── ぬばたまの夜のふけゆけば 久木生ふる 清き河原に 千鳥数鳴
── 山部 赤人《万葉集(巻六)九二五》
── しばなく【屡鳴く】〔自カ四〕しきりに鳴く。絶え間なく鳴く。
── Kokugo Dai Jiten Dictionary. Shinsou-ban (Revised edition)
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以上の話は《虚々日々》に重複するが、やや視点を変えて再述する。
別稿で、有賀のゆり女史の名を「命名の傑作である」とたたえたが、
上野 務先生のアダ名も、国語教師としての冥利につきる絶品であろう。
↓
http://www.enpitu.ne.jp/usr8/bin/day?id=87518&pg=20030320
2003年03月20日(木) 教え子たちの消息
■2002/11/24 (日) 千鳥百科(1)
チドリ:この上なく可愛い鳥.一般には「千鳥足」という言葉で知ら
れるが,現代人の多くはチドリを実際には見たことがないと思われる.
チドリを観察した経験のある人ならわかるように,チドリはトトトと歩
いてはピタッと静止し,また思いついたように別の方向へトトトと歩い
て静止する,という行動を繰り返している.酔っぱらいのおぼつかない
足取りがこれに似ているので,いつしかこれを千鳥足というようになっ
たらしい.しかし,チドリは小さい上に警戒心が強くなかなか近くで見
る機会はないものだ.その瞳はとても大きく,たいへん広い視野を持っ
ている.あまりに大きいので,時には瞳に二つのキャッチライトが入る
ことがある.そうなるともう少女漫画の世界である.キラキラと輝く瞳
は私が小さい頃あこがれたアタック1の鮎原こずえによく似ている.
おっと,どうも私は語り過ぎてよくないようだ.やはり清少納言のよう
にさっくりと言い切るのがよいかもしれぬ.
「千鳥、いとをかし(枕草子 第三十九段)」
『和漢三才図会』では良安がチドリについて詳しく語っている.「思う
に、ちどり(漢字は行+鳥)は江海の水辺にいて、百千と群れをつくる。
それで千鳥と称する。鴫に類し、鶺鴒に似て小さく、頭は蒼黒、頬白く
眼の後ろに黒い条がある。背は青黒、翅は黒く、腹は白く胸は黒い。嘴
も蒼黒、尾は短く脛は黄蒼くて細長い。冬月に最も数が多く、水上を飛
び鳴いて伴侶を呼び求める。肉味は美い。歌人もこの鳥を詠賞している」
この記述から推して,これはハジロコチドリの冬羽のように思われるが,
当時は冬季にたくさんいたのであろうか.実際にはシロチドリが最も多
かったように思われるが.まあ,ハマシギの群飛をチドリと勘違いして
いた可能性もある.当時はスコープなどなかったであろうから,判別が
できなくても不思議ではない.しかし,更に,「およそちどりの種類は
たいへん多い(四十八品種あるという)。みな少しずつ異がある」とい
う記述もある.当時の人は夏羽と冬羽の区別はちゃんとできていたので
あろうか.悩むとキリがない.それはさておき,チドリは多くの歌に詠
まれており,物語などに登場こそしないが,偉大な歌人たちにしばしば
インスピレーションを与えている.
「ぬばたまの夜のふけゆけば 久木生ふる清き川原に 千鳥しば鳴く
(山部宿禰赤人)」
── http://www80.sakura.ne.jp/~sekireist01/tt2000_10.htm
■2002/11/24 (日) 千鳥百科(2)シマウマの鳴声
この日記《去々日々》《与太郎日記》は、文章の構成がバラバラで、
「とても、つきあいきれない」という読者の声が聞えるようだ。しかし、
もともとの動機が、よくまとまっていない資料や考えを整理するための
下書きであって、すでに整理されたものは、日記形式でなくてもよい。
(与太郎自身のモノローグと、HPや書簡などの引用文献との区別は、
工夫につとめて明示しているが、まだ不備な部分があるにちがいない)
日本文化の頂上に、《土佐日記》や《徒然草》などの傑作があるため、
おなじ形式で書かれたものは、おのずから芸術的な価値が備わっている
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11月22日(金)
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