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与太郎文庫
by 与太郎
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■ すれちがった人々 〜 炭屋の主客 〜
気取りで、業界の大先輩に虚勢をはって応対したためである。
 
 そんな“でーやん”は、ほとんど与太郎を紹介しなかったので、先生
にすれば、同僚店員に見えたにちがいない。座布団の後方に同席された
炭屋旅館の主人にも(あらためて)紹介されなかったのである。
 
 つまり、デーやんが音楽評論家のタマゴであることは、彼の挙動から
して一目瞭然だったが、与太郎の立居振舞から身分や職能を察するのは
余人の理解を超えていたのだろう。
 
 その前に与太郎は、音楽の友社の依頼で、例のハイファイ・ルームの
建築工程を撮影している。実際の撮影は上野カメラマンが愛機ジナーを
構えていたので、与太郎は何となく立会っているように見えたのだろう。
 
 いまなら誰でも、ディレクターとかプロデューサーという職能が存在
することを知っているが、当時の認識はあいまいだったのだ。
(大工や左官の棟梁なら、古典的な衣装や身振りで分別されるのだが)
 
 二人の若者は、村田先生が、ゆっくり食事をされながら、ときに銚子
を傾け「どうぞ」とお流れを頂戴することになる。ただし、あまりにも
スローモーションなので、与太郎にはもどかしくてならない。
 
 当時の与太郎は、斗酒をも辞せぬ酒豪であり、いまにいうアルコール
依存症だったから、先生のスローペースには、いまも不満が残る。
 常套句の「駆けつけ三杯」とか「あとは手酌で」が、基本である。
 
 酒飲みのあつかいは、酒場で訓練された女性にかぎる。
 宴会の席で、やたら酒をすすめる者がいる。自分の腹が痛まないから、
ここぞとばかり気前よく見せるつもりだが、金輪際ケチなのである。
 
 中尾彬と池波志乃は、夫婦そろって酒道の達人らしい。酔うほどに、
キンピラゴボウの煮付味付けがことなるそうだ。
 しかし、こういう手のこんだ自慢も、いささか無粋ではなかろうか。
 
 追記
 
 ここでは、堀部氏のプロフィールや付けの商法から、初対面のマナー
や、インタビューの前準備に言及する予定だったが、いずれ別稿に。
 つぎの広告カード(A6)が目に留ったので記しておく。
 
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03月16日(日)
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