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与太郎文庫
by 与太郎
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■ 卓話《暦の話》
にとって光栄ある時期でした。ある人はこういう手紙をくれました。
 
「私とおなじ誕生日に、こんなに偉い人がいらっしゃるというのを、は
じめて知ってずいぶん自信をもちました。みじめな自分だと思っていま
したが、ひじょうに勇気をもつことができました」
 
 このときは、一万人ほどの誕生日だけのデータでしたが、それだけで
も毎日きれいな女優さんがいる、プロ野球の選手もいるどの日も有名人
がおられる。これが七万人になりますと、さらに平均化されまして、こ
の日にはすぐれた人が多くて、どの日は悪い奴が多いというような特定
は、まったくできなくなりました。
 
 ところが、やや特殊なケースとして一月一日生れの人たちが、どうい
うわけか圧倒的に多いんです。数にしますと数十倍!?
 
 そんなはずはない、さきほどは平均化していると申しましたのは、実
はこのことをいいたかったんです。一月一日が多い分だけ逆に十二月三
十日・三十一日が少ないわけです。この三日間を平均化しますと、そう
変らない、これが一月一日に集中している(あたりまえです)。
 
 私の誕生日も、一月二十日というものの実際に生れたかどうかは、う
たがわしい。ことし四十三才以上の方も、戸籍上の誕生日と実際の誕生
は実はあやしい。疑がっていただいてもさしつかえないと思われます。
 
 なにより誕生日は自分で確認できませんから。すると誰が確認するか、
もっとも確実なのは、お母さんですね。お父さんはあんまり自信がない
かもしれません。つまり四十三才以上の方は、生れてから半年以内に役
所に届ければよかった。
 
「えー、男の子が生れました」
「ああそうですか、いつ生れましたか」
「えーと、一月一日」 こういう調子でよかった。
 
 四十三才以下の方は、そういうわけにはいきません。医師、もしくは
助産婦の署名捺印する出生証明書が必要になった。それ以前は要らなか
った。つまり必要がなかったというのは、それによって恩恵を得ること
もなかったからでしょうね。
 
 また、届出の日付は自由に選ぶことができました。選べないのは実在
しない日付、たとえば二月三十日とか三月三十二日とか十一月三十一日
などは、役所が受けつけてくれません。しかし法律によって昭和二十三
年(*2 )以来、医学的に証明されることになりました。
 
 きょうお集りの方は、おそらく曜日を調べてみても、やはり疑がわし
いのです。日本の場合はこういうことですが、実は古くから疑がわしく
ない、断じて疑がわしくないというのが、ユダヤ民族です。
 
 彼らは、現在も(おそらく四千年ぐらい前からの習俗だろうといわれ
ていますが)生れてから八日目に、かならず割礼の儀式を行なっていま
 
 これは医師の証明とかそんなんじゃなくて、要するに(御存知のよう
に)包茎の手術です。だから彼らには包茎の心配はありません。女子は
そういう儀式はしません。男子だけがそういう儀式をします。
 
 他の民族と区別することが、まずひとつ、それから神の祝福を得ると
いうことが何よりも必要なのです。母子手帳とか保険証の(発想)以前
に、神に選ばれた民族であるという証明のために、割礼をします。
 
 イエス・キリストも割礼をしています。さきに申しましたように、キ
リストの誕生は十二月二十五日の未明ですね。これから数えまして八日
目は一月一日、現在の新年(正確にいいますとグレゴリオ暦)つまりキ
リストの割礼を記念した日が、西暦紀元元年です。
 
 これについて私は、とくに意見をもっておりませんが、たとえば他の
民族の宗教的儀式を、われわれ日本人が一緒になって祝うのはおかしい
じゃないか、という方もおられます。
 
 しかし私は、日本人のとらえかたはそうではないと思います。とにか
く年があらたまったら、新らしい年は何が何でもめでたいんだ、という
ことで、ほとんどの方は年末に紅白を観てお正月に雑煮を食べます。
 

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01月30日(木)
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