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与太郎文庫
by 与太郎
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■ 実録土下座作法 〜 俺に向かって土下座しろ! 〜
「立て! 窓側に移れ!」
取調室の窓側で、私は検事と向き合う形となった。
「俺に向かって土下座しろ!」
検事は私に殴りかからんばかりの剣幕であった。恐怖心から抵抗できず、私は屈辱的な思
いで床に座った。命じられるままに、検事に向かい手をつき、頭を下げた。そのような姿勢
を続けているうちに、私は検事のマインドコントロール下に入っていった。
「お前は眞藤に直接電話している。忘れているだけだ。思い出したか。……思い出したなら
席に着くことを許す」
私はこれまでずっと真実を述べてきていた。だが、恐怖心に駆らわれた(ママ)私は、悲しいこと
に、小声で「分かりました」と答えてしまった。
すると、検事は事務官に口述をして次のような調書を作成した。
「私は、検事に土下座してお詫び申し上げます。いままで検事に対し、眞藤さんに直接声を
かけたことはない、村田さん個人にお譲りしたものであるなどと嘘を申し上げてきました」
抵抗する気力を失い、私は言われるままに調書に署名した。私が署名を終えると、「よし、
これでよい」と、検事は急いで取調室を出ていった。
二時間ほどで戻ってきた検事は満足げな表情で言った。
「よし、調べは終わりだ。下がってよい」
悪夢のような体験だった。房に戻されたが、房はいつもより寒々としていた。
保釈後、房内ノートを見ながら新聞記事のスクラップファイルを繰っていたところ、「江
副の株譲渡持ちかけ 眞藤に直接だった 収賄罪成立、確実に」という、毎日夕刊の一面ト
ップの大きな見出し記事が目に留まった。
「今までの調べや関係者の証言で明らかになった」との記事だが、日付は三月一四日。私が
土下座させられ調書を取られた四日前の報道である。合同会議あたりでそのようなシナリオ
があらかじめできていた、と私は思った。
しかし、眞藤さんは本当に私から電話を受けたという調書に署名されたのだろうか。私は
その後も疑問を抱いていた。
NTTルートの裁判が始まってから、私が土下座させられた日と同じ日に作成された眞藤
さんの調書が開示された。そこには「江副から連絡を受けた村田秘書から知らされた」と書
かれていて、私から直接電話を受けたという記載はまったくなかった。
保釈後に弁護士に言われた。
「検事は、眞藤さんが江副さんから電話を受けたと供述したように告げて江副さんから調書
を取り、眞藤さんにはその調書があることを告げて自供を迫ったのでしょう。このような取
調べを“切り違え尋問”と言い、違法な捜査手法ですが、思うように調書が取れないと、検
事はそんな手段も取らざるを得ないんです」(P187-190)
http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/4120040763
── 江副 浩正《リクルート事件・江副浩正の真実 20091023 中央公論新社 20100810 中公新書》
http://www.sinkan.jp/special/recruit/invest.html
…… 俺に向かって土下座しろ!↓昇る太陽にひざまづけ
── コールドウェル/大橋 健三郎・訳《のぼる太陽にひざまずけ Kneel to the Rising Sun 》
http://d.hatena.ne.jp/adlib/19640120 《世界短編文学全集(全17巻集英社》
http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/4641030650
── 渡部 保夫&大野 正男《刑事裁判の光と陰 〜 有罪率99%の意味するもの 198901‥ 有斐閣》
海野 義雄 Violin 19360214 東京 /N響コンサートマスター/1975‥‥東京芸大教授/石田 真二の娘婿
/19811201“ガダニーニ”芸大バイオリン事件 1208 逮捕/198504‥ 収賄免職、懲役一年半、猶予3年。
http://d.hatena.ne.jp/adlib/19700331 よど号の人々 〜 赤軍派ハイジャック事件 〜
(20120511)
03月18日(土)
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