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与太郎文庫
by 与太郎
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■ 新国劇の人々 〜 極めつけ七十年 〜
次々と出演、渋い芸風を生かした名脇役として映画でも一時代を作った。
舞台の代表作に「沓掛(くつかけ)時次郎」「鞍馬天狗」「殺陣師(た
てし)段平」「修禅寺物語」の夜叉王、「風林火山」の山本勘助、映画
では「叛乱」「六人の暗殺者」などがある。
 
 大劇場に女性客が増え、女優を主役にした芝居が主流になると男性路
線をとる新国劇は不振となり、創立70周年公演を終えた87年9月に
解散した。その後はフリーで舞台やテレビで活躍した。
 
 晩年にライフワークとして位置付けたのがすべての役を一人で演じる
「ひとり芝居」で、その最初が89年に長女の家を会場に試演した「白
野弁十郎」。「シラノ・ド・ベルジュラック」を翻案した沢田正二郎も
得意にした作品を選んだところに師沢田への強い敬慕の念がうかがわれ
る。
 
 91年には同作品を新橋演舞場で上演。92年にはフランス公演も果
たした。93年からは毎年のようにひとり芝居を同劇場で上演、200
2年の「夜もすがら検校」で12作12公演を数えた。「ひとり芝居は
いわば空想の芝居」と語り、1年がかりで次の作品を準備。目標は「白
寿(99歳)でのひとり芝居」だった。
 
 94年にはNHKの連続テレビドラマ「十時半睡事件帖」に主演。9
5年11月には中村歌右衛門さんの指名により歌舞伎座の「建礼門院」
で後白河法皇を務めた。2001年10月には新橋演舞場で「信濃の一
茶」に祈祷師(きとうし)役で出演。新国劇の後輩になる緒形拳さんと
の掛け合いが評判を呼んだ。
 
 毎日演劇賞、芸術選奨文部大臣賞、紫綬褒章など受賞・受章多数。
 
 ▽評論家・秋山ちえ子さんの話 菊池寛賞を私が91年、島田さんが
92年と前後して受賞したことが縁で、親しくお付き合いするようにな
り、毎年5月、東京の新橋演舞場での「ひとり芝居」を見るのが楽しみ
でした。島田さんは「白寿の私が芝居をし、米寿の秋山さんに客席で見
てもらうのが夢」と話していて、来年それが実現したのに、と思うと本
当に残念です。
 
── 《毎日新聞 2004年11月27日 10時28分》
 
http://d.hatena.ne.jp/adlib/20081006
 握り拳の男 〜 役者の中の役者 〜
 
(20081008)
 

09月07日(月)
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