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与太郎文庫
by 与太郎
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■ NEO BAROQUE 〜 Edited by Awa Library 〜
展してからも、たとえば《新世界》の第2楽章を、半音上げるなど、な
かなかにユニークなこころみをやってのけたそうです。
 
 実際にアマチュアが、合奏をたのしみ、それを可能にするためのアイ
デアは、もっといろいろある筈です。
 
 合奏のかたち
 
 古い楽譜をみると、コンチェルトを《競争曲》と訳しています。協奏
曲とはちがったおもむきで、いかにも、ソリストとオーケストラが、火
花を散らしている感があります。モーツアルト、ハイドンを経てベート
ーヴェンの時代に開花した、古典派のひとつのかたち、といえます。
 バロック時代のコンチェルトには、ソリストの独立性よりも、いわば
装飾性がみられます。ふたつの合奏体の協奏、つまりコンチェルト・グ
ロッソが、もっともバロック風の性格をもっているようです。これに続
く古典派の時代、かのフリードリヒ大王が、フルートで華やかなカデン
ツァを吹き了えるのを、楽員たちみんなで待っている、という絵があり
ます。ソリストの独立性あるいはスター・プレイヤーの草分け、という
べきでしょうか。
 
 バロック音楽の合奏のかたち、を考えてみると、当時オーケストラと
いっても、楽器編成が一定でなく、器楽そのものが、ようやく教会から
解放され、オペラからもひとりだちをした時代です。舞台の中心は、宮
廷に移り小規模なかたちの中で《線的ポリフォニー》が追求されその結
果、あのように図式的なスコアが完成しました。
 個々の楽器が、ひとしく、やすまず、もっとも簡潔な発展をとげるべ
く、この時代の作曲家たちは、くふうをこらしました。楽器さまざまの
特色を活かすことよりも楽器と楽器の対話、ないしは結びつきを重視し
たゆえんです。
 
 バッハが、宮廷に仕えていたとき、ホルンをたしなむふたりの客のた
めに《ブランデンブルク・コンチェルト》の第1番をものしたことは、
当時の合奏のかたち、を如実に代表しています。
 
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 合奏シリーズ・A:J.S.バッハ・T
 

          Fl. Ob. Fg. Tpt.Hn.Timp. Vn. Va. Vc. 演奏時間
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 ブランデンブルク・コンチェルト
     T F  ・ 3 1  ・ 2 ・  3 1 1  22
     U F  1 1 1  1 ・ ・  3 1 1  16
     V G  ・ ・ 1  ・ ・ ・  3 3 3  12
     W G  2 ・ 1  ・ ・ ・  3 1 1  20
     X D  1 ・ ・  ・ ・ ・  3 1 1  23
     Y Bb ・ ・ ・  ・ ・ ・  ・ 1 3  18
────────────────────────────────
 管弦楽組曲
     T C  ・ 2 1  ・ ・ ・  2 1 1  22
     U b  1 ・ ・  ・ ・ ・  2 1 1  20
     V D  ・ 2 ・  3 ・ 1  2 1 1  18
     W D  ・ 3 1  3 ・ 1  2 1 1  19

 
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●このシリーズは、アマチュア・グループのために、ネオ・バロック協
会が編んだ、合奏用プログラムです。
●シリーズ・Aでは、現在みられない楽器を一般に用いられているもの
におきかえ、かつ最小限の編成としました。
●シリーズ・B(次回会報より)では各種の編曲例を紹介の予定です。
独創的なアイデア・実例をお寄せください。
 
 ネオ・バロック協会について
 
●ネオ・バロック協会は、アマチュア合奏家と音楽愛好家のあつまりで
す。
●毎月の例会では、会員の交歓演奏を中心に、さまざまの研究や試みが
行われます。
●例会ごとに配布される会報《NEO BAROQUE》は、プログラム
であるとともに、アマチュア合奏家のハンドブックとなるように編集さ
れます。

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10月31日(火)
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