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与太郎文庫
by 与太郎
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■ マント・ガイ 〜 最後の副書記長 〜
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%94%E5%B3%B6%E6%AD%A3%E8%A6%8F
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◆ 卒業文集より
アンケートT:岩倉生活で何を学んだか
櫻咲き乱れる頃、入学して早や3年通いなれたあの田舎道も何か教え
る所があった。眠い眼をこすりながら出席した礼拝は、精神修養ではな
かったか。50分の授業、内容は既に忘れていても、その何かを身につ
けたであろう。何年か後に、あゝよかったと思う事もあろう。日ごとに
近づく卒業の日を控えて、皆の、各々の感慨を集めたのがこれである。
「電車の席を早く取る事。蛙の味、サケ・タバコの害(のまへん、きい
たんやぜ)(P10)
アンケートU:お別れに際して上田先生に一言
(112の眼が見たカスミ)
我々ヤンチャとツブシの集りを大した事故もなく無事にゴールまで導
いて下さった上田先生、本当にありがとうございました。いつの日は再
いお会いできる日を楽しみに、これはヤンチャとツブシの遺言集です。
「“名は体をあらわす”本当におカタイ事で、教師以外の職業ではツブ
シがきかんやろ思う。エヽ先生です。授業は熱心、生徒の事を本気で心
配してくれたはんのやろなァ。まあ動物園みたいにニギヤカなクラスを、
一年間事故なしに守ってくれはった腕前に感心します。
一つエヽ思い出があります。十一月末観音さん(宮下くん)と二人で
「一つ防衛大学受ける」と云うたら先生どんな顔しやはるやろと相談成
って、話しに行くと、あっさり「やめとけ」 あほみたいやった。(P22)
アンケートV:叡電に一筆啓上
“ただいま到着の列車は、8時3分発岩倉行です”おきまりのアナウン
スもなつかしい、あの電車にチョットばかりお世話になりましたね。あ
の電車がなかったらとても不便だったでしょう。文句は山ほどあったけ
れども心の隅ではホンのチョッピリよろこんでいるんですからね。
「もっと車の数をへらしてほしい。そうなると学校で体操する必要あ
らへん」(P30)
アンケートW:初恋はどんな味でしたか
誰しも年頃といえば、甘くすっぱいのが初恋の味。もっとも人によっ
てはその味も違ってくるというもの。こゝに綴るは56色の味と味、と
く御照覧あれ。
「初恋の相手、誰か紹介たのみます」(P38)
アンケートX:理想とする異性のタイプは
あんな女性となら、あんな男性となら、とつねづね胸に描いている異
性のタイプを遠慮なく公表してください。実際、何が機縁となるか知れ
ませんからね。既に相手が表われている場合は、お名前もどうぞ。
「ドンチのとき作ってくれはったようなおにぎりの作れる人、あの味忘
れられへん。誰ぞそんな人知らせてくれへんか」(P42)
アンケートY:わがクラスの最優秀賞
(あらゆる分野で最優秀賞を与えるなら誰に何を)
「(該当なし)」
アンケートZ:あなたの夢
私たちは夢を持っています、だってまだ若いんですもの。そして、夢
であるかぎり、どんあに大きくても、どんなにさゝやかでも一向かまわ
ないということは、実はすばらしいことなのです。
「狭い日本に居らず、何処か東南アジアか南米へでも行って、日本人が、
いつかその地方の指導者になれるよう下準備することです」(P54)
先生と生徒のプロフィール:非抽象的、非消極的、非傍観者的観察
「ハオリ・ハカマにマントは三学期の圧巻でしたね」(P50)
── 《 19560316 同志社高校3年F組》
http://d.hatena.ne.jp/adlib/19570316 卒業記念誌《煤t
03月05日(日)
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