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与太郎文庫
by 与太郎
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■ 神の日・初演 〜 Kol Nidrei, premiere date 〜
紀フランスおよびドイツのトサフィストは文言を変え、現在から翌年の
ヨム・キプルまでの未来の誓いの免除を祈るものとした[2]。
 
 ゲオニーム版のコル・ニドレイはヘブライ語で唱えられ、ルーマニア
とイタリアで採用されている。これに対してトサフィスト版のコル・
ニドレイはアラム語で唱えられ、アシュケナジムの標準になっているほ
か、オリエントのセファルディムやイエメン・ユダヤ人などに採用され
ている。アラム語の文言はラベイヌ・タム(英語版)によって制定され
た[2]。セファルディムやイスラエルの大部分では両方の版をつなげて
用いる[3]。
 
 批判
 反ユダヤ主義者はしばしばコル・ニドレイをユダヤ教徒にとって誓い
が無意味であり、信頼できないことの根拠として用いる。これに対して
ユダヤ教徒は、免除される誓いは個人と神の間のものだけであり、他人
の利害とは関係しないこと、誓いが免除されるためには厳格なユダヤ法
(ハラハー)の規定があることをあげて反論する[2][4]。
 
 ユダヤ教内部でも、ゲオニーム、リショニーム、アハロニームの時代
を通じてラビたちは反対してきた[3]。改革派は1844年にドイツのブラウ
ンシュヴァイクのラビ会議において、コル・ニドレイを排除するべきだ
とした[4]。また文言を詩篇103番・107番に置きかえることもなされた。
しかし現代では再びコル・ニドレイが復活する傾向にある[3]。
 
 音楽
 コル・ニドレイの歌唱(トロント、1950年代)2:12
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 アシュケナジムでは、ミシナイ(מִסִּינַי)とよばれる定旋律に由来する
旋律をつけて歌われる[3]。イーデルゾーンによると、この旋律は16世
紀はじめのものとされる。現存する最古の楽譜は1765年ごろのもので
ある[5]。
 
 セファルディムの場合はハッザーンの後をついて会衆全員によって
唱えられるが、セファルディム全体で統一された旋律があるわけではな
く、旋律がない場合もある[2]。
 
 この旋律は1880年にマックス・ブルッフによって作曲されたチェロと
管弦楽のための『コル・ニドライ』の素材として使われた。ブルッフ本
人はユダヤ教徒ではなかったが、リヴァプールのユダヤ人コミュニティ
からの依頼によってこの曲を作曲した[2]。
 
 アルノルト・シェーンベルクは1938年に語り手・混声合唱・管弦楽の
ための『コル・ニドレ』作品39を作曲した[2]。19381004 ロサンゼルス
で初演された。シェーンベルクは誓いが無効にできるのは倫理的に問題
があると考え、ユダヤ教の信仰に反する誓いのみが免除されるように文
言が変えられている。基本的に調性的な作品であるが、ブルッフの感傷
的な音楽を批判したかったとシェーンベルクは述べている(Wikipedia)。
 
 YMDay(20230527)last up dated.

10月04日(火)
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