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Kenの日記
by Ken
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■遍路九日目:観音寺で打ち止め
午前6時朝食。私は5時に起きて濡れた靴を乾かす作業と爪先のテーピングを行いました。右の爪先は親指と人差し指の爪内出血しています。これは三坂峠下りからだんだん酷くなってきたものです。今日は第66番雲辺寺登山で今回の遍路の最もキツイ場所なので入念に行いました。
昼食用にと岡田屋さんからのお接待の「おむすび」を頂きました。通常のペースだと第67番大興寺辺りで食べることになるよとお爺ちゃんが教えてくれました。8人の宿泊客は順番に出発していきました。私は6時45分に出発しました。岡田屋のお爺ちゃんは宿の外に出て「ヤマガラ」に餌を与えていました。お爺ちゃんが口笛で「ヤマガラ」を呼ぶと小鳥がお爺ちゃんの「手の平」に降りてきます。お爺ちゃんは鳥にヒマワリの種のような餌を与えながら歩き遍路も見送ってくれました。
民宿岡田で頂いた地図は非常に役立ちました。交差点などでは遍路マークを丹念に探せば間違うことはないとは思うのですが、私も一カ所間違え、お爺ちゃんの地図を見て遍路道に戻りました。さすがに88カ所札所の中で最も標高の高い雲辺寺です。坂道はかなり厳しいものでした。徳島の焼山寺登山が「遍路ころがし」として有名ですが、それに匹敵する坂道が各県にあるようです。
遍路開始早々の「焼山寺登山」は大変有名なのですが、遍路に慣れたからと言って坂道登りが楽になるかというと決してそうではなく、常に「なぜこんな苦しい思いをして坂道を登っているのだろう?」と自問しながら登ることになります。雲辺寺の登りも横峰寺の登りも大変苦しいものでした。しかし苦しみながら登っていると健康な身体に感謝する気持ちが湧いてきます。足の筋肉には想像を超える力が隠されているのだと感心します。足は主人を恨んでいると思いますが。
第66番雲辺寺山門には8時30分に到着しました。岡田屋さんから1時間45分かかりました。岡田屋のお爺ちゃんは2時間から2時間30分掛かるといっていましたので、頑張ったというものです。雲辺寺では岡田屋で一緒だったトレーニングウエアの男性遍路と川之江ICから出発したという女性遍路と一緒になりました。空模様は今にも雨が降り出しそうな様子なのですが、結局この日は本格的な雨は降りませんでした。
第66番雲辺寺から第67番大興寺までは9.4Kmの下り坂です。最初こそ険しい急坂がありましたが、その後はゆったりした舗装道路の下り坂です。道を間違える心配も殆どないので歌いながら歩くことができました。町中の道ではない長閑な山道なので迷惑にはならないとは思いましたが、声に反応してあちこちで犬が吠えます。
順路となっている遍路道は「大興寺」のはお寺の裏に繋がっています。遍路道は民宿おおひらの庭をぐるっと回って坂道降りて大興寺山門に通じています。帰りはこの坂を上らなければならないと思うと少し辟易したのですが、次の札所への遍路道は別でした。
大興寺を打ち終わり観音寺の街に近づいていくと、遍路道沿いに岡田屋のお爺さんが「美味い」と太鼓判を押したうどん屋「大喜多うどん」がありました。大興寺でおにぎりを食べたところですが讃岐のうどんが食べたかったので一番小盛の「かけうどん」を頂くことにしました。店内ではご主人と思しき人が機械でうどんを作っています。道の向かい側には大変広い「大喜多うどん」の駐車場がありました。中規模のスーパーマーケットにも負けないくらいの広さです。休日や昼食時には混雑するのだろうと思われました。
「大喜多うどん」の少し手前にお爺ちゃんが教えてくれた「遍路小屋銭形」がありました。この遍路小屋は「遍路道沿い」に土地を確保できなくて、少し離れた道に建てられた「遍路小屋」なのだそうです。そのため利用が少ないので岡田屋さんには遍路小屋を案内して欲しい旨のお願いがあったようです。正直なお爺ちゃんはその経緯を含めて教えてくれるのです。銭形遍路小屋を通ると少し遠回りになることまで教えてくれました。
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10月29日(土)
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