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Kenの日記
by Ken
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■地方の空き家対策
長野県須坂市には私の実家と妻の実家の二つの住居があり住む人の居ない「空家」となっています。私達家族に限らず田舎に実家があり、本人を含む子供達は都会で暮していて、田舎の家に住んでいた両親が亡くなって「空家」になるケースが非常に増えているようです。先月5月26日から「空き家対策特別措置法」が完全施行されました。国・地方自治体は増加する「放置されて老朽化していく空家」の対策強化に乗り出しました。具体的には「特定空家等」という区分を設け、一定基準を満たす状況の良くない「空家」については、持ち主に対策を打つことを促す仕組みが働くようになりました。

適切な管理が行われてこなかった結果、隣人等地域住民の生活環境に深刻な影響を及ぼす「特定空家等」としては次のような状態が想定されているようです。
・倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態
・著しく衛生上有害となるおそれのある状態
・適切な管理が行われないことにより著しく景観を損なっている状態
・その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態

「特定空家等」と認定されると当該住宅への立入調査や必要に応じた行政代執行が可能となるようです。更にこれまで適用を受けていた「固定資産税等の住宅用地特例」(固定資産税は課税標準額の1/6〜1/3、都市計画税が1/3〜2/3に軽減される)から除外されるいことにもなるので、固定資産税・都市計画税が大幅に増加して対策を講じない所有者の費用負担が増える仕組みとなります。

田舎に「空家」を持つ都会の住人については今回の法改正で住宅処分の動きが加速されると思われます。その結果地方での中古住宅市場は供給過剰となり中古住宅の価格は下がっていかざるをえません。住宅解体費用は上昇傾向にあるので、住宅所有者にとって田舎の住居は資産価値がどんどん目減りしていきます。

しかし「空き家」の流通を加速しようにも、そもそも「需要」が増加するのかということが問題です。都会にマンションがどんどん建設されて居住するには便利な都会への人口集中は減りそうにありません。阿倍首相は地方創生担当大臣に石破氏(ライバル)を起用しましたが最近石破氏の活躍する場面は殆ありません。都会の若者が移住したくなるような魅力的な地方創生策はなかなか出てきません。
06月10日(水)
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