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Kenの日記
by Ken
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■四国遍路の民宿問題
四国遍路準備のための宿の予約を少しずつしているのですが、幾つかの民宿が廃業しているために予定していた行程を変更せざるを得ない場面にぶつかります。廃業の理由の多くは運営者の高齢化です。札所と札所の距離が長い区間では、野宿を敬遠する場合(年配遍路は野宿は敬遠するでしょう)には民宿に頼るほかありません。

元々遍路宿は非常に経営が不安定です。冬場は遍路客が減って閉鎖する宿がありますし、そもそも遍路客の数が増えているのかどうかわかりません。また、遍路に対して「接待」する文化がありますから、遍路客相手の宿代を「値上げする」ことは難しいものがあります。そうした厳しい環境下でもこれまで遍路宿が維持されてきたのは、宿を運営する方々の善意と遍路文化を守ろうとする気持ちが大きかったのだと思います。しかし山間部の僻地の民宿では後継者を育てることは非常に困難であり、運営者の高齢化の進行は食い止めることが出来ないようです。

四国八十八箇所遍路の場合には、山間部の宿として欠かせない場所にある民宿が少なくありません。そうした民宿が閉鎖されてしまうと、歩きの四国遍路は益々困難となってしまいます。今後も民宿が減っていくとなると、これまでとは違った遍路の形が求められてくるのかもしれません。これまでのような遍路文化を長く守っていくために、民宿運営を上手く世代交代していく解決方法が求められています。
04月12日(日)
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