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Kenの日記
by Ken
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■遭難飛行機情報
ドイツの格安航空会社(ジャーマンウイングス)の旅客機がフランスアルプスに衝突した事件で回収されたボイスレコーダの記録分析が進み、衝突直前の飛行機の様子が次第に明らかになってきました。副操縦士は機長がトイレに行くためにコックピットを出た直後にコックピットをロックして急降下を開始したのでした。

バルセロナを離陸後30分で安定飛行に入った頃合いの機長のトイレタイムだと思っていたのですが、記録されている操縦室内の会話から、機長は出発地のスペインのバルセロナでトイレに行きそびれてしまい、その旨を副操縦士に話していたようです。副操縦士は機長に対して「いつでも操縦を引き継ぎます」と申し出ていたとのことです。副操縦士が機長がコックピットを外す機会を狙っていた思われるので、この機長の「トイレ行きそびれ」全く運命的なものとなってしまいました。

トイレを済ませてコックピットから閉め出されたことを知った機長の様子もドア越の音声記録から浮かび上がってきました。「ドアを開けろ」と何度も絶叫する声、そして非常用の金属製斧とみられる物でドアを激しくたたく音も録音されていたとのことです。コックピットを開けようとする機長の行動は機内前方に座っている乗客には丸見えでしょうから、乗客は非常事態が発生したことを察知することができたと思います。

衝突を覚悟した時の機長・乗務員、事態を知った乗客の絶望感を想像すると胸が張り裂けそうになります。副操縦士を除く149名の死は、今後どうすれば意義あるものとなるのでしょうか。飛行機の機体の故障とか運行ミスでの墜落事故であれば、その改善を徹底的に行い、同様な事故の再発を防止する事によって乗客・乗員の犠牲を多少とも役立てることが出来かも知れません。しかし149名の犠牲を伴った行為が「ひとりの人間の覚悟の自殺」であるとすると、犠牲はどのように受け入れることができるでしょうか。遺族の悲しみ・無念さを想像すると非常に暗澹たる気持ちになります。
03月30日(月)
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