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Kenの日記
by Ken
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■「フェイギンさん」に感謝
ロシア人チェリストの「フェイギンさん」のリサイタルを最前席で聞いて非常に勉強になりました。その後フェイギンさんの演奏からヒントを得て色々試してみていますが、昨日と今日集中的にチェロを弾いてみて、これまでの自分の欠点をかなり明確に意識することが出来ました。その欠点に気をつけて演奏することによってこれまでの悩みが解消されて全体として非常に「心地よい」練習ができるようになりました。まだまだ障害は沢山あるとは思いますが長い階段の最初の方の一段を登った感じです。これも「フェイギンさん」のお蔭です。
今回「フェイギンさん」の演奏で感心したのは、チェロの「音の立派さ」と、その音とは対照的とも言える程の「控え目な動き」でした。特に左右の「肩」「腕」「手」が常に動きが小さく「力が抜けている」ことです。低音・高音の非常な力強く輝かしい「音」は非常に「小さな動き」から奏でられていることにでした。情熱的・感動的に聞こえる演奏は実は冷静な頭脳と、リラックスして効率的に動く筋肉から発せられるのだと思いました。
今回トライした演奏姿勢は一言でいうと「左右両方の肩・腕・手を連動させて「四本の弦」がより小さい力でより良い音を発することができるような姿勢を準備すること」でした。これまでは「D線とG線」については結果的に「左右の両手」の連動が出来ていたようなのですが、「A線・C線」については左右の腕・手にどうしても窮屈感を感じていました。この原因を考えてみると「弓の移弦の問題は右手」「音程の問題は左手」だけに気持ちがいっていて両方の肩・腕の相互作用を見逃していたことが大きいと思いました。
C線の音程を確かなものとするために左手の肘を前に出すときに、右肘を後ろに引いてやれば左手の動きはよりスムーズになりますし、逆にD線からA線への移弦が窮屈であれば、左肩を後ろに引くことによって右肩・右腕の動きをサポートできます。片方だけの腕・肘・手で処理するより、両方の腕・肘・手を連動させることによって必要な力は少なくて済みます。その結果身体全体の力を少し抜くことができることに成ります。体の力を少し抜くことによって「脳」は別のことを考える余裕が与えられ、音楽的な事についてより多くの注意を払うことが出来るようになるみたいです。「脳」が音楽の事をより多く考えるようになっていく程、奏でられる音楽が豊かになっていくのだと思います。
03月08日(日)
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