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Kenの日記
by Ken
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■韓国のフェリー事故
韓国で貨客船「セヲール号」が沈没したのが今年の4月16日でした。昨日28日のダイバーによる捜索で1名の遺体が発見されたそうです。この結果「セヲール号沈没事故」での犠牲者は「295名」、行方不明者数は「9名」になりました。沈没から既に半年以上経っていますが海底に沈んでいるセヲール号船体の浮上作業は「遺族」の反対で頓挫しています。遺族は捜索のための客室キャビン部分の解体には了承し、ダイバーの捜索はそれまでより随分容易にはなったものの「事故証拠保存」の観点から船体引き揚げには強硬に反対しているようです。従って韓国政府は海底に沈んでいる船体の「ダイバー捜索」をずっと続けることになっています。

前から不思議に思っていたのですが、どこかの時点で「船体引き揚げ」に踏み切ることはできなかったのでしょうか。これから冬を迎えると海水温は低下し、海域天候は荒れるでしょうからダイバー潜水による捜索は不可能になるでしょう。暖かい夏に期間に船体を引き揚げて浅い地点まで曳航して徹底した捜索を行うという考えはなかったのでしょうか。これから無理をすると捜索するダイバーも危険に瀕することになります。

「遺族」の悲しみ・無念さは想像を超えるものであると思いますが、セヲール号運行に携わった関係者の裁判が進んでおり「船長」には死刑の求刑がなされています。刑罰では亡くなった犠牲者は帰ってきませんが「遺族」はどのようにすれば慰められるのでしょうか。非常に難しい問題だと思いますが、韓国の人々が解決していかなければならないと思います。こういう事件をひとつづつ乗り越える経験・知恵が社会全体の熟成に繫がっていくと思います。

翻って日本を考えるとき「皇室」を存続させた意義は非常に大きいと思います。「日本国および日本国民の統合の象徴」天皇が災害に苦しむ国民を労う行為は非常に大きな影響を及ぼすと思われます。天皇がお見舞いすることは「全日本国民」がお見舞いすると言う意味合いを持っています。阿倍首相の地位は選挙で多数を獲得した結果ですが、「天皇」が登場する場合その後ろには、宗教や支持政党に関係なく全ての国民が連なっているという感覚が生まれるのです。「天皇」の存在によって戦争犠牲者・災害犠牲者の多数が精神的に救われているのでしょう。このことは民主主義とか統治制度とは違った「集団の気質」を左右する重要な仕組みであるのだと思います。日本だって天皇がいなかったら、もっと摩擦の多い難しい国になっていたかもしれません。
10月29日(水)
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