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Kenの日記
by Ken
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■「私戦予備及び陰謀罪」
「私戦予備及び陰謀罪」:外国に対して私的に戦闘行為をする目的でその準備や陰謀をする罪。就職に失敗したという北大生が戦闘員となるために「イスラム国」に渡航しようとして警察の事情聴取を受けているそうです。日本でも「イスラム国戦闘員リクルート活動」行われていたことには驚かされました。件の北大生は「イスラム教への入信」「アラビア語学習」などの準備活動をやっていたとのこと。欧米ではこのようなリクルート活動によって戦闘員となった多くの若者が「イスラム国」のシリア・イラクに渡っているようです。

「イスラム国」がこれまでに前例の無いような「恐ろしい集団」であることが次第に明らかになっていました。彼等は欧米先進国において「社会に馴染めない・あるいは社会から落ちこぼれた」若者が多数存在することに目を付けました。そうした若者を勧誘して戦闘員に仕立て上げ、最新鋭の武器で武装させて残額な領土拡大戦闘を展開しているのです。こうした若者はシリア・イラクで戦闘するばかりで無く、世界各国に散らばって「テロ行為」を実行する役割をになうことが予想されます。

「傭兵」という存在はバチカンを警備する「スイス軍」とか中世イタリアの都市が自分達の存続のために雇った武力集団が有名です。大阪城に立て篭もった秀頼・淀殿が金で武装集団を雇ったのも一種の「傭兵」でしょう。現代の紛争においても「傭兵」は欠かすことにできない存在になっているようです。

アメリカ軍は現地で傭兵会社に警備を委託しているそうですし、アフリカ・中東の油田・製油所警備などのテロと戦いにおいては傭兵会社が活動しているようです。これまの傭兵会社の「傭兵」は世界各国の軍人OBであったり発展途上国からの出稼ぎであったようですが、「イスラム国」は別な集団に目を付けたのでした。欧米先進国の若者がそのターゲットになったのです。「イスラム国」の人質処刑シーンは欧米出身のテロ戦闘員が欧米人人質を殺害するというショッキングなものとなってしまいました。

アメリカはシリア空爆を開始しましたがシリアへの地上戦力投入には躊躇しています。地上部隊を投入するとこれまで地域紛争同様に「泥沼化」の惧れが多いからでしょう。もしアメリカが地上戦を「傭兵」によって行うことににでもなれば、外国人部隊どうしの戦いになる惧れさえあります。

戦争が国家間の軍隊組織によって行われるものです。「戦争」を擁護するものではありませんが、各国の軍隊は歴史的に規律を保持し兵隊は軍律・作戦に従って行動し、間違いがあれば軍法会議で捌かれるというルールはありました。しかし戦争の一部分が傭兵会社に「アウトソーシング」され、当事国の軍とは別の組織によってなされるとすれば戦争のルールはどうなるのでしょうか。発注者(当時国家)はアウトソーシング先の行動に責任をもつことができるでしょうか。逆にアウトソーシング先の社員(傭兵)が死んだ場合は、自国の戦死者としてカウントするのでしょうか。

第二次世界大戦終了から来年は70年ですが、インターネット等の発達によって「戦争」が無くなるどころか現在の戦争の様相は非常に高度化してしまいました。戦争が自分達と離れた所で行われていると考えていた先進国の人々は、思わぬ形で戦争に身近なものになってしまったことに戸惑っているようです。
10月08日(水)
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