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Kenの日記
by Ken
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■スコットランドの住民投票
スコットランドでイギリスからの独立可否をめぐる住民投票が行われました。日本時間の今日昼頃に大勢が判明し、「反対」が過半数を獲得して「独立」は否決されました。なぜスコットランドがグレートブリテン連合王国から「独立」を求めるのか詳しい理由は知りません。人口も少なく経済的にそれほど恵まれた地域ではないと思いますが、住民の自治・自主性を求める機運が高まっているということなのでしょう。
翻って日本のことを考えてみると、「安倍首相」は「地方創生」を改造内閣の大きな政治課題に据えて、石破元幹事長を地方創生担当大臣に指名しました。私の故郷「信州」もそうですが、若年人口が減少し駅前商店街が殆どシャッターを降ろしている状況は全国共通の見ることができます。このような東京・関西中心の経済優先の社会構造の中で、日本のどこかで「独立」を求める声が上がるとは思えません。どうしてこのような違いが出てくるのでしょうか。
イタリアのフィレンツェを旅行してみて、イタリアの地方都市「フィレンツェ」の元気の良さにビックリしました。世界中から観光客を集め、その観光客がフィレンツェの町に多額の「金」を落としていきます。世界有数の文化遺産を有する「都市」なので当たり前と言えば当たり前ですが、フィレンツェの文化はフィレンツェの住民が過去から営々と築いてきたものだということを確認しておく必要があります。
まずずっと昔の「メディチ一家」を始めとする昔の住民が「文化遺産」(美術館・魅力的な町並み)を残しました。これはその地方の先祖から子孫への贈り物です。そして住民はその土地の伝統・文化を大切に守り続けました。フィレンツェでいうと豊かな農作物・牧畜産業・ワイン産業です。子孫達がこれらの伝統を守り続けたお陰で、美味しいトスカーナ料理を楽しめる「レストラン」が繁盛しているのだと思います。牧畜産業からの副産物の皮製品産業は「鞄・靴・上着」を得意としていて観光客が土産物として買って帰ることになります。
そして重要なことは、レストラン・ホテル・皮製品産業は「大資本」が支配することなく、相変わらず家族単位中心の小規模事業者の運営が中心になっていることだと思います。街中には昔ながらの「八百屋・肉屋・魚屋」が商売を続けています。最近は郊外に「大規模アウトレット」が出来始めているようですが、街中の生活は相変わらず近所の商店での買い物が中心であるように見えます。家族経営の古い建物を利用した小さなホテルが沢山あって観光客を収容します。観光客はフィレンツェの古い町並みのホテルに宿泊して、近所の昔ながらの伝統的なレストランでトスカーナ料理を楽しむことになっています。
石破地域創生担当大臣は難しい課題を解決していかなければなりませんが、中央からの「金のばら撒き」だけでは地方は再生しないことだけは確かだと思います。
09月19日(金)
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