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Kenの日記
by Ken
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■「犯罪」と「戦争」
イスラエルの陸軍部隊が南部ガザ地区に侵攻しました。ガザ地区からイスラエル領土へ武器輸送用の秘密のトンネルが幾つも掘られていて、今回のイスラエルの攻撃はそれを破壊することが目的だということです。しかしそのトンネルは一般民家や商業施設等の床下から掘られているので、結局一般人の住居・商業施設等が破壊の対象になっています。ですからかなりの一般市民の犠牲者がでるわけです。
今回のイスラエルのハマスへの攻撃は、そもそも6月中旬に3人のヨルダン川西岸地区ユダヤ人入植者の若者が誘拐され、30日に遺体で見つかったことに端を発しています。パレスチナ自治区におけるユダヤ人入植者とパレスチナ人との対立は「一触即発」であったことは確かですが、この事件に対するユダヤ人の感情が沸騰しで報復の殺人事件が発生し、さらにパレスチナ人の報復がなされ、報復合戦がどんどん拡大してお互いに戻るに戻れない状況になってしまったのでした。
本来はパレスチナ人サイドが若者同士のこうした諍いを厳正に処罰すべきでした。パレスチナサイドが処罰を渋っている間にユダヤ人の報復がなされ、事態は「犯罪」ではなく「戦争」になってしまいました。その戦争はヨルダン川西岸地区からガザ地区に拡大し、市民の死者は既に500人を超えています。こうなっては最初の3人の若者殺害事件の真相究明は吹き飛んでしまいます。
ウクライナ上空でマレーシア航空機が撃墜された事件でもそうですが、どこまでが「犯罪」でどこからが「戦争」なのかをはっきりさせる努力を続けるべきだと思います。「戦争」となると「殺人」は裁かれません。しかし「裁かれない殺人合戦」に事態が進展しないよう、紛争のきっかけとなりそうな「事件」は冷静に厳粛に「裁く」ことが対立する双方にとって大切であるということを全世界が認識すべきです。日本の過去の歴史ではどうしても身内に甘くなって過激分子に国全体が翻弄されました。マレーシア航空機撃墜事件では撃墜された航空機のフライトレコーダが回収され、撃墜時の状況を把握する手がかりとなりそうです。国際社会の紛争対処力が試される事件だと思います。
07月21日(月)
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