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Kenの日記
by Ken
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■集団的自衛権
安倍首相が目指す「集団的自衛権行使に向けた環境整備」がどんどん進んでいます。首相の私的諮問機関「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」(安保法制懇)が報告書を提出し、安倍首相はそれを受けて環境整備の手続きを着々と進めていくことになります。これから与党内の調整がなされて必要な法整備の準備に入ることになりそうです。

安倍首相が「強気」なのは基本的に「多数決原理」で勝てると思っているからでしょう。現在の分裂状態の野党はとても自民党に勝てません。もっとも野党の中で本当に「集団的自衛権行使」に反対している党は少ないですから最初から話になりませんが。現在もっとも頼りになるのは与党の公明党だというのは非常に困ったものです。

今回は「砂川事件」に関する最高裁判決を持ち出したみたいです。その判決は「現行憲法について主権国として持つ固有の自衛権を何ら否定されたものではなく、自国の平和と安全を維持し、その存立を全うするために必要な自衛のための措置をとりうる」としたものだそうです。これはこれまでも個別的自衛権の存在・行使の根拠になってきたものです。

阿倍首相ブレーンが昔の話を持ち出すのはこれが初めてではありません。河野官房長官談話の根拠について「キチンと検証すべき」とし、終戦70周年に向けて村山談話を見直して「新しい政府談話」を出すと言っていたのはそれほど昔ではありません。「保守主義」は現在の自分達の判断・意思決定に信頼を置かず、過去積み重ねてきた方法に重きを置くことといえますが、その意味で安倍首相の政治姿勢は「保守」ではありません。その自信はどこから来ているのでしょうか。

「パックスブリタニカ」の時代の後「パックスアメリカーナ」の時代が長期間続いていますが、中国の台頭で「パックス・チャイナ・アメリカーナ」の時代となるのはそれほど遠いとは思われません。中国の台頭、イスラム国における混乱を考えると、スーパーパワーのアメリカが世界の警察役を演じていくことはどんどん困難になっていきます。その時日本は集団的自衛権を行使してアメリカを支えていく道しか残されていないのでしょうか。
05月15日(木)
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