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Kenの日記
by Ken
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■「トスカ」(大宮ソニック)
ウィーンの森バーデン市劇場の「トスカ」の公演を大宮ソニック劇場で見てきました。

日時:10月8日(月・祝) 15時開演
トスカ     :セシリア・ベルグルンド
カヴァラドッシ :オイジェネェ・アァメスマァン
スカルピア   :アンドゥリィイ・シュクゥルハァン
アンジェロッティ:フロォリアン・クレッスェァル
            
会場:大宮ソニックシティ大ホール
演出:ルチア・メシュヴィッツ
指揮:クリスティアン・ボォラァック
楽団:モーツァルティアーデ管弦楽団    
合唱:バーデン市劇場合唱団

ここ3年間毎年通っている「ウィーンバーデン市劇場」の日本公演ですが今年の演目は「トスカ」です。プッチーニのオペラは「ラ・ボエーム」に次いで2作目となります。

今年の春、ローマ・ナポリに旅行したときに「トスカ」の場面は十分に見てきました。第一幕の「聖アンドレア・デラ・ヴァルレ教会」は朝一番に行って朝日に映える厳かな堂内を十分に満喫しました。フランス大使館となっている「ファルネーゼ宮」は当然入場できませんが、時間をかけて大きな建物の周りを一周しました。「サンタンジェロ城」は内部を隈なく見学しました。ということでトスカ舞台の地理は頭の中に入っています。それにしてもアッタヴァンティ侯爵夫人(アンジェロッティの妹)が、嫁ぎ先の礼拝堂があるとはいえ、敵親分スカルピアが本拠地としているファルネーゼ宮と目と鼻の先の「聖アンドレア・デラ・ヴァルレ教会」で逃亡の助けをするというのは気が利かないと思いました。

今回の「トスカ」ですが、カヴァラドッシ役の「オイジェネェ・アァメスマァン」は昨年のカルメンでホセを歌った人です。昨年の印象と全く同じで、少し硬い感じがして、声の伸びが今一歩。最初の見せ場の「妙なる調和」では少し抑えているのだろうと思いましたが、結局最後まで同じ調子でした。まあその分破綻のない安定した歌を聞かせてくれたと思います。スカルピアは声といい体格といい申し分ない悪役ぶりだと思いました。特に関心したのはトスカに刺されて死ぬ場面で、結構細かい芸をしていたところです。SS席の舞台の真正面だったので見ることができましたが、床に倒れて「最期の息を吸って」死んで行った演技に「いいね!」を贈りたいと思いました。

タイトルロールの「トスカ」について面白かったのは、スカルピアから「偽の銃殺刑の言質」とカヴァラドッシとの二人の逃避行用の証明書を手に入れて「勝手にルンルン気分となる」場面を上手に表現していたことです。ここの表現によってトスカが相当に嫉妬深かったこと、及び一緒に逃げるはずだったカヴァラドッシを失ってしまったショックで身を投げることとなる筋に旨く繋がっていったと思いました。

今回の大宮公演は今回の日本公演の最期の方に当ります。昨年のカルメンの埼玉公演が公演初日で、オケが散々であったことに対比するとかなり練れてきている状態でした。やはり長い公演では初日は外す方が良いようです。

公演内容からは離れますが、今年からプログラムが有料になりました。カラー写真をふんだんに使ってきれいに仕上がっているいるのは良しとして、曲目億解説については、相変わらず「途中までは頑張って解説するも、直ぐ挫折して、後の方の説明が驚くほど荒くなる」というパターンはそのまま踏襲されていました。でもバーデン市の説明が充実しているので面白く読みました。
10月08日(月)
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