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Kenの日記
by Ken
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■「ジャパンシンフォニア」演奏会
妻が頂いたコンサートチケットでジャパンシンフォニア定期演奏会を聞いてきました。
曲目等は以下の通り。
演奏:ジャパンシンフォニア
指揮:井上喜惟、演奏曲目:バルトーク:ルーマニア人族舞曲集
ブラームス:バイオリン協奏曲 独奏:三戸素子(ジャパンシンフォニアコンミス)
シューマン:交響曲第二番
会場:晴海、トリトンスクエア第一生命ホール
晴海の第一生命ホールは地下鉄有楽町線の「月島」下車。自宅から池袋に出て有楽町線で一本でした。ウィークディならば会社員が沢山いるのでしょうが休日のトリトンスクエアは閑散としています。第一生命ホールは始めてですが、小規模な演奏会には打って付けのホールみたい。椅子の肘掛の下に飛行機の座席に有るテーブルみたいなものが格納されていました。講演会用でしょうか。
日曜日後午の晴海ですから客の入りは期待できませんが、それにしても少ない入りでした。拍手が薄くなって演奏者には申し訳ない感じでした。最初のルーマニア民族舞曲(バルトーク)は引き締まった演奏でした。演奏会冒頭のサブとしては非常に練り上げられた感じがしました。こういう演奏を聞くと次の協奏曲とシンフォニーに期待が持てるというもの。
協奏曲はブラームスのバイオリン協奏曲。会場で配られたパンフレットに書かれているとおり、ヌボー、チョン、ムター、ハーン等女性バイオリン奏者の名演が多い曲です。本日の独奏は三戸素子さんでジャパンシンフォニアのコンミスの方です。結論から言うと気合が入りすぎて細部の表現が良く聞き取れず、音程も不安で聴衆としては不満の残るブラームスになってしまいました。
気合は十分伝わるのですが、残念ながら基本的な音程の正確さ(特に重音の時)が危ういため、安心して聞いていられる演奏ではありませんでした。気合とか思い入れはいいのですが、やはり時には「肩の力」が抜かれた楽器が豊かに歌う演奏を聞きたかった。演奏者の力演に聴衆まで硬くなってしまうような感じでした。但し伴奏のオケは絶えず柔らかく暖かく伴奏していました。特に管楽器・中低弦の伴奏は見事だったと思います。家に帰ってから「チョン」の演奏をビデオを聞きました。確かチョンも陶酔したような表情で弾いていたのです。さすが「チョン」の演奏はオケ伴奏と一体担っているし見事なテクニックでした。
メインの「シューマンの交響曲第二番」あまり演奏される曲ではありません。今日のプログラムはなかなか渋い選曲です。こういう選曲をするのも「ジャパンシンフォニア」の特徴なのでしょう。金管セクションが絶えず柔らかい音でオケ全体を支えていて非常に素晴らしく、木管もレベルが非常に高かったです。フルートがもう少し浮かび上がってくれば良かったかなと思いました。ファゴットはちょっと他所では聞けない名人芸だと思いました。中低弦は素晴らしいのですが、残念ながら「1stバイオリン」の音が「硬い」ことが最後まで気になりました。ティンパニの音の素晴らしさと存在感は「ただ者はない」という感じがしました。
全体通してかなり高い水準のオケだと思いました。しかし正規の定期演奏会において協奏曲で身内の独奏者を起用したことは感心できませんでした。どんな演奏会でも独奏者には、一定水準の技術と聴衆を魅了する魅力が欲しいです。また、狭いホールで聴衆に緊張を強いるような演奏はちょっと辛い感じがしました。曲目解説をするとか、挨拶をするとか、演奏サイドも聴衆も「肩の力」の抜けた時を過ごせる演奏会を期待したいものです。
11月09日(日)
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