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Kenの日記
by Ken
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■平将門(新潮文庫確保)読了
浦和県立図書館からお借りした「平将門(新潮文庫)中・下」を読み終わりました。色々な方のホームページで名作だといわれているだけあって、素晴らしいものでした。このような名著の文庫版が絶版になっていて、手軽に読めないことにびっくりしましたし、出版社は何をしているのだろうと思います。図書館に関しても、埼玉県立図書館の「中・下巻」はかなり古くて汚れが酷いもので、これから何回も貸し出せる状態ではないし、南浦和のさいたま市立図書館には文庫本の蔵書さえない状態です。本当に寂しい限りです。
「海音寺潮五郎」は鹿児島県出身なので幕末・明治にかけての「薩摩人」を描いた小説が多いのです。特に「西郷隆盛」に対する思い入れが深いようです。何となくですが「平将門」は「西郷隆盛」に通ずるところがあるように思えます。「時代の流れ、周囲の人々との関連等」からどうしても逃れることのできない運命に翻弄されていく姿は悲壮なものです。稀に出現する傑出した人物が一方で「不器用さ」「頑固さ」を併せ持っていることで運命が変わっていく現実が非常に悲劇的に描かれてますし、歴史的に見れば、そのような英雄は結局「早く生まれ過ぎた」だけという風にも考えられます。
海音寺潮五郎の小説には「将門記」から何箇所か引用されています。この「将門記」は将門の時代に書かれたもので、現在では写本でしか残っていないようです。この「将門記」が大したもののようで、歴史書として非常に価値の高いもののようです。時の朝廷に反逆したのですから当時は「極悪人」として扱われたはずですが、将門記の作者は冷静に歴史を綴っているようです。(本当のところは知りませんが)
05月29日(木)
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