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Kenの日記
by Ken
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■「アレキサンドラ」という映画
ガリーナ・ヴィシネフスカヤの関するページ

「ガリーナ・ヴィシネフスカヤ」に関するホームページの記事を書いているのですが、インターネットで調べている中で、彼女が昨年映画に主演していたことを知りました。今年のカンヌ映画祭に出品されたロシア・フランス合作映画の「アレキサンドラ」という映画です。

チェチェンに駐屯する軍隊の孫に合うために老婆がチェチェンを訪問するストーリーのようです。監督は「ソクーロフ」。ロストロポーヴィッチとガリーナのドキュメンタリー映画を撮った監督です。ソクーロフの次の作品がガリーナを主演に迎えた「アレキサンドラ」なのです。

このドキュメンタリー「Elegy of Life」(ドキュメンタリの本当のタイトルです。「人生の祭典」とは少しニュアンスが違いますね) の中でソクーロフがガリーナにインタビューするシーンがありましたが、ここが非常に印象的でした。ロストロポーヴィッチとの話では、ベートーベンとかプロコフィエフとかブリテン、ショスターコーヴィッチなどの音楽家・音楽に関することばかりなのでした。ところがガリーナへのインタビューの最初は「最初の息子のことを憶えていますか」というものだったのです。

ガリーナは下積み時代18歳で長男を生みました。もちろんロストロポーヴィッチと結婚するずっと前のことです。レニングラード封鎖の最中でその子供は幼くして亡くなってしまったのです。ガリーナとのインタビューはそんな悲しい話ばかりなのです。私の想像ですが、このインタビューをきっかけにして、ソクーロフはガリーナの映画を撮る気になったのだと思います。ソクーロフはガリーナのために「アレクサンドラ」の脚本を書いたと言っています。是非見てみたいと思います。

あらためてドキュメンタリーの解説本を読んでみて思い出したのですが、ロストロポーヴィッチはロシアの偉大さを「長さ、雄大さ、無限」と表現しています。ガリーナは同じような意味でしょうが「すべてが過剰」と言っています。日本語がそうなっているだけでロシア語の意味がそうなのか不明ですが。とにかく「ロシアの魂」というものに非常に興味をひかれるこの頃です。


09月02日(日)
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