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Kenの日記
by Ken
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■ロストロポーヴィッチ・ガリーナの映画
ロストロポーヴィッチ・ガリーナの映画の上映日程が決まったようです。ホームページは以下の通り。
http://www.sokurov.jp/
4月21日から渋谷の「シアター・イメージフォーラム」だそうです。早速鑑賞券を買いました。日本語の題名は「ロストロポーヴィッチ人生の祭典」です。ガリーナファンとしては「ロストロポーヴィッチ・ガリーナ人生の祭典」にして欲しかったところです。日本ではガリーナの人気が今ひとつですが欧米ではむしろガリーナの方が有名なのではないでしょうか。
音楽家の家に育ったロストロポーヴィッチに比べて、ソプラノ歌手「ガリーナ・ヴィシネフスカヤ」の苦労は壮絶なものでした。ガリーナはそれを本にまとめています。独ソ戦の「レニングラード」封鎖から始まり、ソビエト共産党が次第に体制を固め全盛期を極める姿をガリーナは体制の中から見ていました。すさまじい権力闘争であったと思います。芸術家もそれに巻き込まれていたのでした。その間にロストロポーヴィッチと結婚し、その後西側に亡命しロシアを外から見てきたのでした。ソビエト崩壊後の10数年間はロシアに戻り、社会活動・行進の育成に力を尽くしています。
ソビエト共産党の体制においても芸術至上主義を貫き、西側のベーム・カラヤンに代表される商業主義に対応して崇高な域に達していたのがソビエト芸術です。ムラビンスキー率いるレニングラードフィルの演奏能力は当時の西側に大きな衝撃を与えました。ガリーナはボリショイオペラのスターとしてカラスに比肩するソプラノでした。他にはピアノのリヒテル、バイオリンのオイストラフ、チェロのロストロポーヴィッチが西側の度肝を抜いたのでした。その後もクレメル、マイスキー、ウゴルスキーとロシアは天才肌の芸術家を世に送ってきました。
今や飛ぶ鳥を落とす勢いの「ワレリー・ゲルギエフ」はウイーン、ニューヨークで引っ張りだこです。今後暫くの間はロシアの芸術家が世界を席巻するのではないかという気がします。最近日記に良く登場するソプラノのネトレプコ、バリトンのホロストフスキーもロシア出身です。
現代のロシア芸術家のひとつの原点は「冷戦」時代だろうと思っています。その冷戦時代にあっても大切に受け継がれた帝政ロシアの芸術家の伝統があったのだと思います。現代のロシアの芸術家はまだ「冷戦世代」であるといえます。そういう意味で冒頭のロストロポービッチの映画は非常に興味深いものです。時代が進んでポスト冷戦の世代が出てくるとロシア芸術がどうなるのか興味があります。
03月24日(土)
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