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日刊・知的ぐうたら生活
by schazzie
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■『アムニジアスコープ』
エリクソンの本を読んだ。この本は、前に「新刊」と書いたような気がするが、「新作」ではない。96年くらいに出版されたものだから、もう10年近くたっている。
エリクソンの『黒い時計の旅』は大好きで、先日も復刊されたのを喜んだばかりだけれど、今回の本を読んで、「私はエリクソンが好き」を「私はエリクソンの『黒い時計の旅』が好き」に変更しなくてはならないかな、と思った。
内容紹介にある「幻視作家」って何よ?と思いつつ、何となくわかるつもりでいたけれど、ドラッグか何かやってない?という感じの話って、どうもダメだなあ。それが「幻視」ということなのかしらん?
サンフランシスコで、周りにいる人が皆ドラッグをやっているように見えた時、あるいは、かなり確信的に絶対やってるなと感じた時、非常に恐怖を覚えた。こういう人たちが、こういう小説を書くんだろうなあなんて思ったことを思い出し、エリクソンはロス在住だし、有り得ないことではないだろうなんて、勝手に想像した。だって、やっぱり書かれていることが普通じゃないもの。
「これまで自分が関係してきた女性たちとの記憶を生々しく甦らせ」というのも曲者だ。たしかに生々しいのだが、物は言いようだなと思う。柴田氏の翻訳だから、それなりの品位を保ってはいるけれど。
で、面白くないかというとそうでもなくて、じゃ、面白いのかというとそうも言い切れず・・・、そのあたりは、柴田氏も訳者あとがきで「冗長な部分もあるが、下手に書くことはあっても、力を抜いて書くことはない」などと書いている。一応褒め言葉だ。
話の内容は、これはもう好き嫌い、性に合うかどうかの問題だと思う。こういう(どういう?)小説は、どうもうまく把握できない。というか、書き手が男であることを、ものすごく意識させられる。男の頭の中って、みんなこんななのか?と、今更のように周囲に疑惑の目を向けたくなる。
◆ポール・オースター新作
The Brooklyn Follies/Paul Auster (著)
外貨参考価格: 16.99ポンド
価格: ¥3,146 (税込)
OFF: ¥555 (15%)
ハードカバー: 出版社: Faber and Faber ; ISBN: 0571224970 ; (2005/11/17)
Publisher Comments
生命保険のセールスの仕事から引退したネイサン・グラスは、家族とも疎遠になり、癌治療後の不安に満ちた状況にある。「静かに死ねる場所」を探している彼は、「ブルックリンを勧められた」。しかし、ブルックリンを拠点に創作活動をしているポール・オースター(『Oracle Night』)が書いたこの生き生きとした小説の主人公は、その代わりに、魅力的な人々があふれる活気ある心優しい地域と出会う。
それらの人々には、大学を卒業したもののタクシー運転手をしながら魂の安らぎを探求するネイサンの甥のトムがいる。トムの9歳になる物静かな姪は、たった一人でトムの家を訪れる。情緒不安定な母親に連れられてではなく、だ。それから、『緋文字』の贋作原稿を売ろうと計画している派手な書籍商もいる。彼らの人生とかかわるうちに心が癒されていくネイサンの姿を描きながら、オースターはアメリカ文学における「聖域」という主題について深く考えていく。ホーソンやポー、ソローなどが、ピカレスク小説の要素にロマンティシズム、南部ゴシック、ユートピアへの憧憬を織り込みながら築いたテーマだ。
オースターはドラッグクイーン、不遇なインテリ、汚いスプーンを出すウエイトレス、中産階級など、この地域に暮らす多様な人々に温かい視線を注ぎ、ブルックリン橋を照らす月に詩を捧げる。本書の中心に浮かび上がってくるのは、ブルックリンの最初の詩人といえるウォルト・ホイットマンの魂といえる。オースターが優雅に自由気ままに展開していく物語は、感傷に陥らない程度の十分な陰りをおびていて、説得力をもつ。本書は愛情をこめて描かれた、人間の魂の最終的な安らぎの地として町の姿だ。
<PB>
Brooklyn Follies/Paul Auster (著)
外貨参考価格: EUR 8.69
価格: ¥1,259 (税込)
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