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日刊・知的ぐうたら生活
by schazzie
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■『新訳アンクル・トムの小屋』
図書館に本を返却しに行った。その前に、アリステア・マクラウドのもう1冊の短編集『冬の犬』を大急ぎで読む。ジーン・ウルフの『ケルベロス第五の首』は、結局読了できなかった。読み始めたはいいが、話に入り込む前に返却期限が来てしまったのだ。期間を延長するほどのめりこんでもいなかったので、あっさり返してしまった。なんとなく、自分自身がSFを読む雰囲気じゃなかったし。

このところ新しい本も続々届いていて、そちらのほうに気が行ってしまっているため、今借りている本(ゼイディー・スミスとキアラン・カーソン)に、全く興味がわかなくて困っているというのに、なんとなく図書館から手ぶらで帰るのももったいない気がして、また3冊借りてきてしまった。

あっちを読んだり、こっちを読んだりして、全然集中していない。特に短編集を読んでいるとそうなりやすいので、私の場合は要注意なのだ。短編集は、ひとつの話が終わっていれば、途中で他の本を読んだって一向にかまわないわけだから、ついつい気を引かれる本があると、そちらに行ってしまって、肝心の短編集は、なかなか読了できない羽目に陥る。そういうわけで、短編集はなかなか片付かないから(物理的にも)厄介なのだ。

今日読んだマクラウドの本は、とにかく今日返すのだからと、一気読みした。私って、こんなふうに切羽詰らないと、短編集は読み終えられないのかも。

で、今日借りたのは、よりにもよって『新訳アンクル・トムの小屋』である。大判の単行本で、とっても分厚いやつだ。これだけで2週間かかってもおかしくないよというくらいの本だが、計算によれば、3日ほどで読まなくてはならないことになっている。この本の場合は、読了できなければ延長する気でいるのだが。

ニューオーリンズのプランテーションハウス(オークアレイ)のショップで、この「アンクル・トムの小屋」の原書がたくさん売っていた。実は私もWordsworth版のPBで1冊持っているのだが、これはハードカバーのほうがいいなあと思い、ぜひとも買って帰りたかったのだが、持って帰ることを考えて、ここでも諦めた。

それと、ニューオーリンズに行く前に借りて読み始めたが、途中で出発日が来てしまい、やむなく返したジュリー・スミスの『死者に捧げるジャズ』もあったので(大久保図書館の蔵書なのに)、それも借り、以前からちょっと気になっていたパトリシア・ハイスミスの本も借りた。ちなみにこれも短編集だ。

昨今、海外でも日本でも短編集が増えた。短編のほうが気楽に読めると思われているのだろうか?私の場合は、短編のほうが難しいし(書くのも読むのも)、1編ごとに気持ちが途切れてしまうため、長編よりも読みづらいと感じているので、こういう状況は非常に困惑する。上手い作家の短編は大歓迎だけれど。

ちなみに、「リプリー(太陽がいっぱい)」で有名なハイスミスは、昨今の作家に入れるべきかどうか?現代の作家とはいえ、すでに亡くなっているし、今現在活躍しているわけではないので、いわゆる昨今の作家には入らないだろうと思うけれど。

というわけで、「アンクル・トムの小屋」みたいな長編のほうが、物語の中にゆっくり身をおくことができ、気持ちも徐々に高めていけるので、個人的には大好きなのだ。だから、こういう本を逆に何分冊にもしてしまう行為というのは、あまり賛成できないし、はっきり言えば嫌い。もとが分厚いなら、分厚いままでいい。持ち歩けないというなら、持ち歩き可能な別の本を読めばいいだけのことだ。


〓〓〓 BOOK

◆読了した本

『冬の犬』/アリステア・マクラウド (著), 中野 恵津子 (翻訳)
単行本(ソフトカバー): 262 p ; サイズ(cm): 19 x 13
出版社: 新潮社 ; ISBN: 4105900374 ; (2004/01/30)
出版社/著者からの内容紹介
カナダ東端の厳冬の島で、祖先の声に耳を澄ませながら、人生の時を刻む人々。彼らの傍らには、犬、牛、馬、鷲などの動物たちが、いつもあった。人生の美しさと哀しみ、短篇小説の気品に満ちた8編。
目次
すべてのものに季節がある
二度目の春
冬の犬

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08月23日(火)
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