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日刊・知的ぐうたら生活
by schazzie
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■原文で味わう新しいアメリカの短編小説(11)
今日から後期の授業が始まる。
◆「原文で味わう新しいアメリカの短編小説」講座第11回
テキスト:「Friends」/Grace Paley (1985)
1922年生まれ。ユダヤ系。1959年27歳の時に『The Little Disturbances of Man』でデビュー。
地域密着のローカルな作品を書く。キャリアは長いが、これまでに3冊の短編集しか出していないという寡作の作家。50年代に、ソウル・ベロー、バーナード・マラマッド、フィリップ・ロスらにまじって有名になるが、60年代には1冊も出していない。筋金入りの反体制活動家で、一貫してあらゆる戦争に反対し、政府にも反対運動をして年中逮捕されているトラブル・メーカー。
口語(現代のストリートの言葉)で書かれた文は、単語はやさしいが(難しい言葉を使う人は語彙が足りないとも言われるが)、状況描写も少なく、しゃべっているのが誰かわからないとか、何を言っているのかわからないといった感じで難しい。会話の中の思い違いなどもそのまま書かれており、文法的におかしいところもそのままにしてあったりする。言い換えれば、訳しても仕方がない作品とも言える。
今回のテキストもそういった意味で難しく、言わんとしているのは単なるフレンドシップについてだが、会話の中からそれぞれのキャラクターが浮かび上がってくるような書き方。
<writer's writer>
作家たちの見本になるような玄人好みの作家。読者も作家が多く、彼らには非常に尊敬されている。アメリカの作家でグレイス・ペイリーを知らない人はまずいない。
●現代アメリカ作家リスト:グレイス・ペイリー
出している作品も少ないが、邦訳はリストにある『最後の瞬間のすごく大きな変化』のみ。訳者の村上氏が、「グレイス・ペイリーの作品は全部自分が訳す」と公言してしまったため、あとの作品が出てこないのだが、そもそも村上氏にとって、グレイス・ペイリーは最も感性の遠い作家である。
※『最後の瞬間のすごく大きな変化』は、私自身も感想の書きようがなかった本なので、あえて感想にはリンクしないでおくが、なるほど原文もこういう感じだったのかと納得。感覚的に村上春樹には合わないだろうなあと漠然と思っていたが、やっぱりそうだったのか。。。(^^;
◆次回のテキスト
「The Stucco House」/Ellen Gilchrist (1994)
『ホビットの冒険』が出てくるよ!(*^^*)
〓〓〓 BOOK
◆借りた本
『ルームメイツ』/マックス・アップル
内容(「MARC」データベースより)
著者であるマックス・アプルが、祖父のロッキーと107歳まで付き合って、その死を見取るまでの美しく、感動的な実話。ピーター・フォークによる映画化も決定している話題の本。
※邦訳ももう入手できないし、原書も入手困難ということで、クラスの人が貸してくださった。
◆BOOK・OFF(明治通り店)
『心すれちがう夜』/ジュード・デヴロー \400
内容(「BOOK」データベースより)
1909年、ニューヨークに住む29歳の美女テンペランスは、女性の人権を向上させることに心血を注いでいた。ところが、寡婦だった母親が突然スコットランド人と再婚し、テンペランスも否応なしにスコットランドへ。不満を爆発させる彼女にたいし、義父はアメリカへの帰国を許すための条件を提示した。それは彼の甥ジェイムズの花嫁を見つけてあげること。承諾したテンペランスは、美しい田園地帯の領主ジェイムズのもとへ赴くが…。
※何冊か購入しているJude Deveraux。これは『Temptation』の邦訳。全然違うタイトルなので見当もつかなかったが、『Temptation』は読んで見ようかなと思ったことのある本だったので、買ってみた。『The Summerhouse』はこの夏、途中で中断したまんま。
『サンタクロースの冒険』/ライマン・フランク・ボーム \100
内容(「BOOK」データベースより)
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10月02日(木)
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